いまだ再びの愛を知らず。

「そんなに好きじゃなかったから、付き合い続けたいかよくわからない。」

これが、人生で唯一生涯を共にしたいと願った男性に言われた一言。

私が彼の親友と揉めて、迷惑をかけたから別れてもいいよ、と話した直後の一言。

別れてもいいよ、なんて言葉を放った私が悪い。

だって本当は期待していたのだから。「別れない」という言葉を。

寄りかかってはいけないとわかりながらも、生まれて初めて感じた愛情に浮かれ、気付けばあの人に過度の期待をしていた。

私はとても弱く、そしてあの人もまた、弱かった。

彼は自分より上だと思う人物の言うことに逆らえず、私はそんなことおかまいなしに、違うものは違うと言い張った。

自分で放った言葉の責任を取りきれず、あの人に泣きついてしまった。

彼なら、当然理解してくれると思ったから。

でもそれは単なる思い込みで、その後のすべてはものすごいスピードで私の望まない方向へと突き進んだ。

今なら、そのすべてが私が幸せになるために起こった出来事だとわかる。

そう、頭ではわかっている。それでもなお願ってしまうのだ。

あの人の笑顔が見たい、と。

もはやあなたと会う術など持たないから、ここにこうして想いを吐露する。

35歳の私。初めて愛を知るも、あえなく玉砕。

38歳の私。いまだ再びの愛を知らず。

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