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夏の日

水面に太陽の光が反射している。
ギラギラと照りつけるその光は強烈で、あまりの眩さに目を開けていられないほどだ。

海水の温度はちょうどよく生ぬるく、ふわふわと何時間でも漂っていられそうだった。

私は海中に浸した手をひきあげ、両指を組んで一枚の面を作った。そしてその手のひらを煌めく海面へかざす。

そうするとその眩い光が、私の手のひらについた海水の滴に反射して、キラキラと輝きだす。
波の揺らめきが手のひらに陰影を創りだし、そのなかで滴の煌めきがいっそう際立つ。

そこには永遠が存在した。わたしの手のひらのなかで創りだされる、小さな小さな1つの宇宙。

ずっとその宇宙を見ていたくて、何度も何度も手のひらを海水に浸してひきあげては海面に照らし、その宇宙に見惚れていた。この美しく儚い世界にずっといられたらいいのに。そう願いながら。

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