17「詩」二月の晴れた日
空と陽射しが
こんなにたくさんのことを語りかけてくるのに
たったひとつの言葉さえ
見つけられないでいる
言いたいことはみんな伝わっているのに
たったひとつの意味さえ
伝えられない
確かなことは
春が近づいていること
立ち止まってしまった足元で
命が目を覚まし始めている
言葉にならない何か良いものが
生まれ始めているのがわかる
空と陽射しが
語れない言葉を語り尽くし
私の身体はいっぱいになる
膨れ上がった優しいものに包まれて
このまま飛んでいきそうな
二月の晴れた日
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