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山の本100座

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山に関する本100冊について書いてみたいと思います。
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#登山

続 生と死の分岐点

続 生と死の分岐点

5座目ピットシューベルト氏の手による「続」編である。

引き続き、生死の境界線上のお話しばかりです。題名に偽りないです。

冒頭ではストック使おうなとか、崖の上の柵に注意やでみたいな割と取っ付きやすい感じなんですが、だんだんとディープになっていきます。

もうね、怖い。

テープスリングを結ぶんじゃなくて、ソウンスリングが使われる事になった経緯とかね。ま、テープってツルっとしてますしあるかもね、、

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高みへ 大人の山岳部

高みへ 大人の山岳部

3座目笹倉孝昭さんの本です。
凄くちゃんとしてます。

登山関連のマニュアル本てなんだかフワフワしてるものが多い印象なんですけど、この本はちゃいます。

日本の近代登山は神戸からはじまり、その正統は笹倉さんに受け継がれているということですな。そう読みとりました。しかと。

天才肌の人が雰囲気で書いた本と違い。コレどうするんだろう悩みがちなところが的確に記述されています。ていうか笹倉さんが天才。

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「氷壁」

「氷壁」

2座目井上靖の山をめぐる小説である。

ナイロンザイル事件を題材としつつも、山男の友情、豪放磊落な上司、人妻、老境の科学者など盛りだくさんな内容で、なんやかんやあって主人公は最期に

「シズカナリカギリナクシズカナリ」

と書き残して滝谷で失命するという物語である。

私は今まで、氷壁を4回くらい読んでいる。

一回目は中学生の頃だ。井上靖の「あすなろ」だか何かを読んだ後に続けて読んだが、ちょっと

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