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【ワインエキスパート・ソムリエ試験】一次試験対策は独学かスクールか

なかなか、自分のワインエキスパート試験の振り返りができなかったのですが、10月27日に二次試験に合格したことが発表されました。落ちていたら、偉そうに書けないというハードルが取り除かれましたので、一気に書き進めたいと思います。

僕はアカデミーデュバンの受験クラスに通ったのですが、独学と比較した場合の、ワインスクールに通うメリット、デメリットを考えてみたいと思います。スクールと言ってもアカデミーデュバン以外のスクールのことはわかりませんので、アカデミーデュバンに限ったこととお考え下さい。

ワインスクールに通うメリット

一つ目のメリットは、ワインスクールが作成したテキストが手に入ること。最大のメリットだと思います。独学される方は教本をベースにされるのでしょうが、教本では、どこが重要かわからないまま文章を読むことになります。アカデミーデュバンのテキストは、教本をわかりやすくまとめるとともに、過去に出題された部分が色分けされています。さらに、紫貴先生オリジナルの資料は、アカデミーデュバンのテキストに、エクセレンスなどの出題履歴や暗記のための語呂も書き込まれ、神資料と呼ばれています。杉山先生のテキストブック(受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 ワイン地図帳付き〈2021年度版〉)も持っていますが、試験に出るすべての内容を網羅しているわけではないように思いました。

2つ目のメリットは、再現問題が手に入ることです。紫貴先生のクラスでは、実践問題という問題集が毎回配られます。これは、2018年に試験がCBTになった初年度に、アカデミーデュバンの講師の方がCBTを受けて問題を再現したものがベースになっています。これに類するものが、2021年に販売された「林麻由美講師のJ.S.A.ソムリエ・ワインエキスパート試験対策 最強の問題集 2800+」です。一般書店では販売しておらず、アカデミーデュバンで購入できます。他に有名な再現問題集としては、「覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集 2021年度版: CBT方式に勝つ!受験のプロが分析した出題高確率の1200問」があります。問題数はやや少なめですが、解説が丁寧です。これらの市販のもので代替は可能です。

3つ目のメリットは、勉強のペースができることです。スクールに通えば、誰でも合格できるわけではありません。アカデミーデュバンでは、毎回、小テストが課され、実践問題やAki's checkを解いて、高い点数を取るように勉強することで、自分の勉強のペースが作れます。5月のゴールデンウィーク頃には、総論とフランス、イタリアまでの範囲で、中間試験が行われ、そろそろ本気を出さなければまずいという雰囲気が醸し出されます。

4つ目のメリットは、講師やクラスメートと一緒に学ぶことができることです。紫貴先生のクラスでは5人ずつのスモールグループを作り、グループで励まし合って、小テストでよい点を取り、一次試験合格突破をめざします。平時であれば、クラスメートとワインを飲みに出かけたりして、楽しく勉強できると思います。僕の場合、コロナ禍ど真ん中でしたし、職業柄、会食ができなかったので、一度も飲みには出かけられませんでしたが。

5つ目のメリットは、試験に関する情報が逐次入ってくることです。本番試験の様子なども講師に聞けば教えてくれます。でも、最近はSNSやweb上の情報でも十分な情報入手はできると思います。

6つ目のメリットは講義にあわせてテイスティングの勉強ができることです。アカデミーデュバンの講義は、1回2時間半で90分講義をして、60分テイスティングをおこないます。早い段階から二次対策を意識できるので、よい仕組みだと思いますが、一次試験前は二次試験のことまで手が回らないというのが本音です。一次試験終わった後に、きちんとテイスティングの勉強をしておけばよかったと思う人が多いです。

以上、6つのメリットを上げましたが、その中でも、独学では得にくいメリットは、アカデミーデュバンのテキスト、勉強のペース作り、クラスメートとの交流です。

最近知ったのですが、アカデミーデュバンのテキストはアマゾンで手に入るようです。また、2021年から始まったヴィノテラスワインスクールの佐々木先生が作られたテキストは2022年は市販されるらしいので、その点は代替可能になるかもしれません。

となると、一番のスクールのメリットは、勉強のペース作りになります。逆に言うと、強固な意志を持っていれば、独学でも一次試験は突破可能です。しかし、それには相当な意思が必要だし、勉強時間のマネジメントが必要です。「独学とスクールとどちらがいいですか?」と聞かれれば、「通えるならスクールに通った方がいい」と答えます。

ワインスクールに通うデメリット

スクールに通うデメリットは、受講費用がかかる(16万円くらいだった)ことです。受験費用や二次対策もあわせれば、合計30万円は必要でしょう。かなりお金がかかる資格です。独学でも、受験費用、書籍代や二次対策を考えれば、10万円程度はかかります。

やや逆説的ですが、スクールに通っていれば、合格できるという甘えが生まれてしまうのも問題かも知れません。アカデミーデュバンでも、講義は、毎週90分だけです。イタリアを90分で教えるわけですから、授業を聞いていれば、自然に知識が付くというわけではありません。予習も復習も小テスト対策もできなければ、合格できません。アカデミーデュバンの受験クラスにきちっと通った人でも、合格しているのは半分強程度と聞きます。ペース作りにあわせて、きちんと勉強できる方だけが合格しています。

また、デメリットというわけではないですが、そもそも、スクールがない地域にお住まいの方や、通う時間が取れないという人もいると思います。そういう人にとっては、2021年から始まったヴィノテラスワインスクールなどで、オンラインで学ぶということも選択肢に入ってくると思います。

幸い、僕は、アカデミーデュバンの講義にうまくはまり、自分の勉強のペースが作れて、合格できましたが、もし、独学するならどうすればよいか、また、別の機会に書いてみたいと思います。

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