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「全国最中図鑑」89 新九郎最中 (静岡県沼津市)

「(伊勢)新九郎」と言われても、どこの誰だか俄かにはわからない人が殆どだと思うが、あの戦国大名・北条早雲の本名である。
後世では一般に「北条早雲」の名で知られているが、実は伊勢新九郎は生涯一度も北条早雲と名乗ったことはなく、ずっと伊勢新九郎、通称「新九郎」で通した。
新九郎は、今川家の家督争いを収めた功績から興国寺城(沼津市)の城主となり、その後、伊豆韮山の堀越公方・足利茶々丸を攻め、これが戦国時代の幕開けとなったと言われる。そして伊豆・相模を治める最初の戦国大名となった。
法名が早雲庵宗瑞で、彼の息子たちが北条姓を名乗ったことから、後世、北条早雲と呼ばれるようになったと言われている。
「新九郎最中」は沼津の御菓子処「雅心苑」が、新しい時代を開いた彼の名をもらって名付けた商品で、甘味を抑えた上品な味の粒あんがたっぷりと入った、当店の人気菓子である。

雅心苑
沼津市足高292-23


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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