29皿目 “港を望むテラスで「重ねカツ」” 喫茶ポルク|元気の出るカツカレー
真夏の北海道を縦横無尽に車で走り回る今回の取材。総走行距離は10日間でなんと2500キロほどでした。
印象的だった場所はいくつもありますが、中でも北西部の増毛はまた個人的に訪れたい街です。
海と山、北の大地ならではの豊かな自然を堪能できるのはもちろんですが、明治や大正時代の古い建物がたくさん残されているのが増毛の特徴です。商家、旅館、倉庫などなど。日本最北の造り酒屋もありました。
ランチはあらかじめ調べてあった喫茶店へ。増毛の町から、車で3〜4分ほど山側に走り、港を見下ろす位置にある(住所はまさに見晴町)喫茶ポルク。「ポルク」というワードをインターネットで調べてみたら、フィンランド語で「小道」を意味するのだとか。お店の方に確認していないので、それが由来なのかどうかは不明です。
数種類のスパゲッティと、カレーがメニューの中心。それにトーストやケーキ。期待を裏切らない喫茶店王道ラインナップです。コーヒーの銘柄はもちろんたくさん揃っていて、豆の挽き売りもやっています。
私のお目当ては「重ねカツカレー」。ミルフィーユタイプのトンカツはこれまでの食べ歩きで何度か出会っていますが、こちらのカツはロースとバラ肉の2種類を使用しているというこだわりよう。どんな味なんでしょうか。
天気が良かったら海が見えてもっと気持ちよかったのに、とテラス席でのんびり北海道時間を満喫していたら、カレーがやってきました。
野菜の色が見えるように後乗せしているひと工夫がうれしいですね。これだけでちょっとメルヘンチックな見た目になっています。サラダ付き。けっこうボリュームもあります。
カリッと揚がった衣と、やわらかいお肉、食感のギャップが新鮮。しかも豚肉はロースとバラを重ねているため、うまみと脂の満足感が両方感じられ、得したような気分です。
カレーはスパイス控えめで優しい甘みのあるタイプ。すっきりさっぱりしているような印象があったのは、隠し味に果物でしょうか? 北海道のカレーといえばスープカレーですが、オーソドックスなカレーもやっぱり美味しいですね。もし次の機会があるなら、シーフードカレーも食べてみたいなと妄想しつつ、完食。
とはいえ、ここは北海道、本州とは海を隔てた北の大地。そもそも次の機会などいつあることか……などと思いながら、ごちそうさまでした。