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ダルバート【1】 500円ダルバートの発祥

インド食器屋「アジアハンター」の店主・小林真樹さんが、食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しい料理、お店、そしてインドの食文化をご紹介します。


数年前、新大久保界隈のネパール料理店で出す「500円ダルバート」が話題になったことがある。ダルバートとはダル(豆汁)とバート(ご飯)で構成されるネパールの定食で、料理名であると同時に食事そのものを指す言葉としても使われる。日本で「ご飯」という語が狭義の米飯と広義の食事どちらも意味するのと似ているだろうか。このネパールの食を象徴する「ダルバート」が話題になった経緯を追っていくと、日本におけるインド料理店の成り立ちと背景がよく見えてくる。

1960年代から70年代にかけて、日本における最初期のインド料理店の多くはインド人または日本人によって経営されていた。当時のオーナーたちは貿易を本業にした人が多かった。モティのサニー氏、マハラジャのコタリ氏、サムラートのカプール氏、またこの連載の最初に登場したラージマハルのマルホトラ氏もすべて貿易業者である。




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2024年12月13日(金)発売
深遠なるインド料理の世界』小林真樹/著