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「全国最中図鑑」86 屯田もなか (北海道旭川市)
屯田兵とは、明治時代に北海道の警備と開拓にあたった兵士とその部隊のことである。
1891(明治24)年、屯田第三大隊本部と第一、第二中隊400戸、翌25年に第三、第四中隊400戸が入地し、初めてこの厳寒の地・旭川の開拓が始まった。
当時の旭川はうっそうとした原始林におおわれた全くの未開の地だった。入植した人々はまず樹々を伐採して焼却し、熊笹や雑草を刈り取り、切り株だらけの荒れ地を鍬で整地し、その上でようやく農作物の種を蒔く、という手のかかる作業を繰り返しながら開拓していった。
屯田兵による開拓は明治32年の士別剣淵を最後に終了したが、これら先住の屯田兵とその家族の労苦を偲び、その功績を讃えようと生まれたのが、地元のフラワー菓子舗による「屯田もなか」である。当時の屯田兵が住んでいた家屋をモチーフにした素朴なかやぶきの兵屋を形どった皮の中に、あんがぎっしり。かなり濃厚な味で、濃いお茶との相性が良さそうだ。
初めて製造されたのは約80年前。その製法は代々受け継がれ、今も変わらぬ人気を保っている。
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フラワー菓子舗
旭川市4条通15丁目右1
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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。