『死を喰う犬』で第1回わたしの旅ブックス新人賞を受賞した小林みちたか氏の受賞後第一作『やがてすべては旅になる 壊れた自転車で行く四国一周』が2023年9月13日(水)に発売されたことを記念して、本文の一部を公開します。
本書について
ある夜、突然襲ってきた死への誘惑。
その危険な衝動から逃れるために、著者は四国一周自転車の旅に出る。
途中、自転車が壊れるというアクシデントに見舞われてしまう。
壊れかけた自転車を漕ぎながら旅を続けるうちに、脳裏に蘇るこれまでのつらい記憶と旅の断片。
過去と現在が交錯していく中で、著者はこれまでの自分と真正面から向き合うようになっていく。
果たして無事に完走できるのか、そして、前向きな心を取り戻すことはできるのか——
過酷だが自然豊かな四国路を舞台に、壊れかけた心の再生を綴った異色の自転車旅行記。
試し読み
目次
プロローグ
1 東京―松山―新居浜―四国中央
夏がはやすぎる/みんなのオアシス/ゴーライフ
2 四国中央―高松―東かがわ
絶望的トラブル/リタイアの誘惑
3 東かがわ―徳島―日和佐
めぐり合わせ/わかれ道
4 日和佐―室戸―高知
ふし穴/ばばあ!
5 高知―土佐―四万十
アフター9・11/雨の森/峠の向こう
6 四万十―足摺―宿毛
ジョンマン/急がば止まれ
7 宿毛
警戒レベル4/暗黒の時代
8 宿毛―八幡浜―双海
寄り道/やがてすべては旅になる
エピローグ
著者紹介
小林 みちたか
1976年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。2000年朝日新聞社入社、04年退社。広告制作会社、国際NGO団体を経て、11年よりフリー。東日本大震災のボランティア活動を綴った『震災ジャンキー』(草思社)で第1回草思社文芸社W出版賞・草思社金賞を受賞。北インドのラダック地方を旅した私小説的紀行『死を喰う犬』(産業編集センター)で第1回わたしの旅ブックス新人賞を受賞。その他に、東北の太平洋沿岸部を旅した作で『第9回子どものための感動ノンフィクション』優秀作品を受賞。
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