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先は遠く、ぼやけている。 今日はメガネを忘れた。知り合いの顔すらわからなかった。 何もつけずに外に出たのは久しぶりだった。 大学の友人も同じゼミの人も彼女もぼやけている。 見えないことがこんなにも幸せだとは思わなかった。 物体の輪郭が曖昧になり、絵の具のパレットのように歪み混ざっている。 いつも使う道だからいいものの、 知らぬ土地ではこのままではくたばってしまいそうだ。 落ち着く。 破滅の予感とともに、落ち着くのだ。 周りの目が気になる人にとっては、一枚絵に
夜、それは私が一番落ち込む時間。 暗くて重い世界は私の内面まで入ってくる。 寂しさを紛らわすだけなら、誰でもいいはずなのに。 歌の歌詞がいつになっても離れていかない。 昨日の帰り道、うざいと思ってしまった。 なんでだろう。愛しているはずなのに。 言葉にされると気持ち悪かった。 本気なのか、妥協なのか。 彼の輪郭が曇った。 窓の外には煌びやかなネオン。 私を呼んでいる気がしてならない。 気楽に生きるのは、悪くないの。 赤マルの匂いにも慣れてきた。 ああ
矛盾を愛せ 筋道立てるな 崩れるが落ちの道のりや だからこうだが通じない お鞭撻を乞う膝下と 靴が空見て笑ってる 愛していたって離れてく 真面目だって使われる みすぼらしくて世界を作る 大人だって嘘をつく 悲しく、苦しく、醜く、退く だからこそ、矛盾は美しいのだ