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先は遠く、ぼやけている。 今日はメガネを忘れた。知り合いの顔すらわからなかった。 何もつけずに外に出たのは久しぶりだった。 大学の友人も同じゼミの人も彼女もぼやけている。 見えないことがこんなにも幸せだとは思わなかった。 物体の輪郭が曖昧になり、絵の具のパレットのように歪み混ざっている。 いつも使う道だからいいものの、 知らぬ土地ではこのままではくたばってしまいそうだ。 落ち着く。 破滅の予感とともに、落ち着くのだ。 周りの目が気になる人にとっては、一枚絵に
夜、それは私が一番落ち込む時間。 暗くて重い世界は私の内面まで入ってくる。 寂しさを紛らわすだけなら、誰でもいいはずなのに。 歌の歌詞がいつになっても離れていかない。 昨日の帰り道、うざいと思ってしまった。 なんでだろう。愛しているはずなのに。 言葉にされると気持ち悪かった。 本気なのか、妥協なのか。 彼の輪郭が曇った。 窓の外には煌びやかなネオン。 私を呼んでいる気がしてならない。 気楽に生きるのは、悪くないの。 赤マルの匂いにも慣れてきた。 ああ
どうも私はこの類の書き物、 「日記」が続かない。 仕事を辞めて一週間。会社に入ってから使う予定だった、メモ帳を代わりに、日記を書くことにした。 自慢ではないが、私はこの日記を続けられた試しがない。 今までで3回も失敗している。 1回目は専用の日記帳。 連絡帳をよく忘れる子供だった私に、追加でもう一個デイリーをつけるのはしんどかった。二日かいて引き出しの奥に。 2回目は手帳。 結局書くことがない部分にせっかくだから日記を書いてみようと試みた。しかし、あまり見ないそ
こんにちは、久しぶりにエッセイを描こうと思います。 突然ですが、私は千葉のとある田舎町出身です。 今は都合でここに帰ってきています。 ゆったりとした時間経過、自然に囲まれまくっているこの町に戻り、 ただただ懐かしい気持ちを感じております。 最近は、毎朝散歩をするのですが、 その道すがら、少し花びらが散った、 いわゆる葉桜を見つけました。 ピンク色の花びらが少し落ち、 黄緑色の葉っぱが映えだし、 蛇苺の色をした花弁が、少ししぼみ出していました。 葉桜を見ると、私はいつも