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創作詩集

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自分の創った詩・ポエムをこちらにまとめております。 ※番号は全ての投稿順ということで、バラバラになっておりますが、ご了承ください。
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2021年7月の記事一覧

43:啜る花

光る白い壁、青い陽光。 偏光ガラスが色めいて、 今日も僕を照らしてる。 布団が背中にひっついて、 朝を恐れて眠れない。 管の数は日に増えて、 知らぬ薬を掘り込める。 小さな病院の一階に、 病に伏した女あり。 彼女に会いにエレベーター。 胸の高まり沈めつつ、 今日も偶然装って。 漆黒の重い廊下を忍足。 彼女は今日も起きていた。 すり足掠れる、カーテンと、 君の手をまた握っている。 明日は医者の胸借りて、 寸の出頭を迎え撃つ。 君に打ち明け、数

41:夜と蝉

ずいぶんと久しぶりだな 呟いて、 もう会えないと思う 白露。 5年間、曖昧な時を 過ごした日、 君を忘るることもなしかな。 赤黒い西の空に 手を伸ばし、遠のく君を いまだに思わん。 あの匂い、幹線道路にコダマする、 タイヤの擦れる悲しさ共に。 真夜中に小さく泣いたあのセミは 今は違うが叫びたいとし。 走り出す、銀の改札、つゆ知らず 走るる僕はアテのない旅。 まだ遠い、至極便利な現代も、 あなたにもたれる、こともできずに。 角曲がり、走る君を

34:PM3:47

『おつかれー』 『またねー』 『なな、カラオケ行こうぜ』 『たりーな部活』 『監督さん、キレてるじゃん今日』 『あいっ!』 『こ、これは、超激レアですな』 『そうであります、非常に有用であります』 『へへへ』 『・・・』 『…ちょっと、なんとかいったらどうなの?』 『別に…』 『なんだよ、はっきり言えよ』 『・・・』 『もういい、帰ろうぜ』 『・・・』 『ほら、道草食ってないでさっさと帰れ』 『えー先生好きな人とかいるの?』 『馬鹿なこと聞

27:音

音に支配された梅雨の日。 僕の心は救われる。 コンクリートジャングルの喧騒から、 僕を救う。 自分の中のぐちゃぐちゃの世界に、 一つの波紋が浮かび、 音の広がりとともに、清めてくれる。 音が消える。 世界が白くなる。 その空間に静寂がやってくる。 美しい世界だ。 雨はこの世界を開くトリガーだ。

26:夢の安売り

私には夢があります。 誰かが夢を叫ぶ。 私も僕も俺も。 皆が声をあげる。 自分にはない。 夢なんてない。 でも、何かを叫ばなければならない。 世界は目的を持った人生を肯定し、 行き当たりばったりの放浪を否定する。 外れた生き方だって。 それがどんなに素敵で楽しくても。 社会の尺度が嘲笑う。 だから自分は叫ぶ。 「私には夢があります。」 夢の安売りが今、始まる。