さすがフランス、田舎にも芸術!
先週末は私の住むフランス、オート・サヴォワ県のパッシーという街で
<山の彫刻、空間の詩50年>というイベントが行われ、
私の上司、フランクが彫刻家のアレクサンダー・カルダーについてカルダーの彫刻前で講演したので私も一緒に週末を過ごした。
10日の土曜日の朝、パッシーに向かう途中で干し草がピンクのカバーに
包まれているのを見て、芸術作品みたいだね!とフランクと写真を撮る。
フランクがマイクのテストをするために、パッシーの映画館内へ。
1952年に作られたという映画館は山の映画館らしい外観とアールデコの内装、レトロでいい感じ。
朝からイベントが山の中で行われ、まずはヴァイオリンチェロの
リサイタル。
バッハが二つのトーテンポールの間で演奏された。
続いて、コンテンポラリーダンス。
パッシーの街は住居やアトリエを若い芸術家に提供しているそうで
ダンサーの彼女と彼はそのおかげでパッシーに住んでいるそう。
トーテンポールから着想を得たダンスには不思議に引き込まれた。
その後は一度パッシーを抜け出し、サンジェルヴェの町へ。
フランクの友人宅でBBQの予定だったけど、お天気が微妙だったので
ベランダで食事。
素晴らしい眺めの素敵なロッジ!
やっぱりこの辺の人たちは生活が豊かだわ。
再度パッシーに戻り
ストリートアートのオープニングイベントへ。
フランクのお友達で彫刻家のエリックが即興でアコーデオンをひき
その場を盛り上げてくれる。
そのエリックの彫刻たちはこちら。
息子さんの作った折り紙から着想を得て、大好きな鉄鋼で彫刻を作製。
奥には素晴らしいモンブラン一帯が!
このシカが可愛くて庭とお金があったらこれを買ってるな。
ジャルダン・デ・シムJardin des Cimesという山の庭園で展示されている。
そこには菜園があったり、カフェテラスがあったり、ちょっとした散策を
しながら山の植物や昆虫、動物について知れるようになっている。
色が鮮やかで絵画のよう。
味付けは控えめだけど色んな香りがして本当に美味しかった!
毎日通いたいくらい!
かなり強面のがっちりしたシェフからこんな繊細なお皿が出てくるとはちょっと意外!
<弟子入りしたいくらい美味しかった!ありがとうございます。>
と伝えたら素敵な笑顔を返してくれた。
りんごのタルトは生地がパンのような厚みのある柔らかいもので
自然な甘さでこれも美味しかった。
ほとんどの食材が庭でとれたものだそう。
そういうレストランはこの辺りでもここだけらしい。
こんなところでこんな料理が食べられるんだから心身ともに健康でいられるはず🎵
初めてパッシーに来た去年の夏、フランクから
<カルダーの彫刻があったり、シャガール、ルオー、ジェルマン・リシェの作品があるんだよ!>
と聞いた時にはなんでこんな田舎に!?とびっくりした。
誰もこんなところに偉大な芸術家の作品が何点もあるなんて思わないから。
山と太陽だからチョコも赤くすればよかったのに?
と思うけど。。。
この前で我らがフランクはカルダーと彫刻について講演。
毎週、学校で子供達に読み聞かせのボランティアをしていて
素敵な声を持つフランクは
カルダーの英語訛りを再現してみたり、素晴らしい語りだった!
夜はサックス奏者のヴァンサン・ル・カンとそのグループのセッション。
https://www.vincentlequang.com/
全部の曲がこのイベントのために作曲されていて、彫刻作品や芸術家から
インスピレーションを得た曲たちは耳に心地よくヴァンサンの繊細さと
ダイナミックさがよく現れてた。
元々、パッシーは結核患者の療養所があった場所。
そこで山崩れが起きて50人の子供が亡くなったそう。
その際、イメージを回復するためと追悼のために詩を作って欲しいと
頼まれたのが詩人のジャンピエール・ルメル氏Jean-Pierre Lemesle。
芸術家の友人をたくさん持つ彼がプロジェクトを立ち上げ、このパッシーに
偉大な芸術家の作品が置かれる機会ができた。
それから50年経ち、そのルメル氏は83歳。
実際にカルダーや偉大な芸術家にあったことがある貴重な存在。
こんな機会でもなければ
私はジャズの作曲家や奏者たちと一緒に食事をしたり、
彫刻家や詩人と話をしたりする機会もなかった。
パッシーのガイドさんとも話せたし、
私の元ガイドとしての知識も役に立った。
最初は知らないフランス人に囲まれて疲れるからちょっと気が引けたけど
素晴らしい週末だった。
またしてもフランク様様!!!
来週末は、フランクがトライアスロンに参加する。
いよいよオート・サヴォワも夏が近づいてイベント盛りだくさん!
やっぱりスポーツイベントが多いものの、
こんな田舎でもあらゆる芸術に触れられるのは本当にフランスの文化レベルが高い証!
さすがフランス、芸術の国。