『変態』
久しぶりに恋をした。本当に、何年ぶりだろう。
たまに私は、快楽主義というのか、自分をどこまで追い詰められるか試したくなる時がある。それは仕事においても、恋愛においても。 特に恋愛において、自分から人を好きになってしまうと、そのことばかり考えてすぐ白黒つけたくなる。結果を急ぐし、愚かなキモい行動ばかりを繰り返す。
それで自己嫌悪に陥るのだが、度を過ぎると「キモい自分をどこまで晒せるか」試したくなる。プライドを捨てただの変態に成り下がり、相手の気持ちを確かめたくなったり、最後の小さな望みに全力で体重をかけて、相手がどういう気持ちでいるのか追求したくなる。 多分精神的には、公共の場で裸体を露出する人と同じぐらい自分はキモいんじゃないかと思う時もある。
完全に負け戦だ。負けるとわかっていて変態になるんだから、もう意味が分からない。
自分から人を好きになって、自爆しない、あるいは交際にまでこぎつける人はどれだけ理性がしっかりしているんだろう。もしくはどれだけ戦略を立てるのが上手なんだろう。
「キモい」と思われたいわけじゃないはずなのに、なんで最終的には「どれだけキモさを晒せるか」が自分の中での勝負になってきているんだろう。おかしい。
多分、キモい行動をした結果自分の気持ちが晴れて、どうでもよくなったりすることもあるからだ。逆にもっと探求したくなる時もあるから、一か八かなのだけど。
ここで今この文章を読んでいる人は「自分がキモいと思われること」という自意識より「相手に不快な思いをさせること」の実害を考えたほうがいいと思うだろう。それもちゃんと考えている。
ただ、生きていれば人に嫌な思いをさせることは不可避であり、爆走していようとも好意なのだから、ちゃんと受け止めてほしいとも思う。
次恋をすることがあっても、絶対にキモいと思われないようにしたい。キモいと思われずにパートナーになったりだとか、「キモくない女」のままかわいく告白してかわいく失恋したりしたい。
何故ならキモい状態の人間を受け入れる人は、多分よっぽど心が広いかよっぽど自分に自信がないかのどちらかで、そんな人は滅多にいないしいたとしても最終的にはいい結果にはならないと思うからだ。
こまった。皆は一体どうしてるんだろう。