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皇帝ネロと、因縁の6月9日。

6月9日。

53年、のちにローマ皇帝となる、暴君でおなじみのネロが最初の妻であるオクタウィアと結婚した日。

1310年、イタリアのシエナ大聖堂で、ルネサンス初期を代表する絵画であるドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャの壁画『マエスタ』が公開された日。

1952年、日本とインドのあいだで平和条約が締結された日。

誕生花はジャスミン。

そんな6月9日。

ローマ帝国5代皇帝ネロ・クラウディウスといえば、疑心暗鬼に駆られて身内を次々に暗殺・処刑していったり、キリスト教を迫害したり悪逆非道の限りを尽くした稀代の暴君として有名だ。

6月9日は、そんなローマ皇帝ネロにとっては因縁の日で、

53年6月9日に最初の奥さんであるオクタウィアと結婚したはいいが、

9年後の62年6月9日には、不倫罪を着せられたオクタウィアが処刑されている。

そして、その6年後の68年6月9日には、ネロ自身が追い詰められた挙げ句自殺してしまうのだ。

ただ、ネロが最初からどうしようもないクズ人間だったわけではなく、母親との軋轢などからちょっとずつ人格が変わっていったというのも有名な話だ。

最初名君だった人が、徐々に暴君に変わっていくというのも歴史を紐解くとよく出てくるストーリーだ。

かれらを壊してしまうのは、権力の甘い蜜か、トップに立つ重圧か。

いずれにしても、歴史上の出来事も、そこに登場してくる人たちも、ある一側面からしか見ていないと取りこぼしてしまうものがある。

ネロも、最初は学問を愛する有能な皇帝だった。

あの人類史上まれに見る悪行をしでかしたヒトラーも、若い頃は芸術家を夢見る絵描き青年だった。

表舞台に出てくる情報だけでは語れない真実がある。

だからこそ、自分で学ぶ力が必要なのだなと痛感する今日このごろである。





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