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本のはなし#2

今日は最近読んだ本のはなし。

うちのレシピ 瀧羽麻子


この本はお店にくるお客さんと店主の話ではなく、レストランを経営している一家の話。レストランの娘真衣と見習いコックの啓太の結婚を大軸として物語は進んでいく。真衣の父母、啓太の父母、そして真衣と啓太それぞれの視点から綴られた食べ物にまつわる思い出の短編が六篇。全員の視点から読めるのでそれぞれの思いが見えてとても面白かったし、登場人物全員が好きになった。ご飯もとても美味しそうだった。

十六夜荘ノート 古内一絵

顔も覚えていない大叔母から高級住宅街にある古い洋館、しかしその実態は経営の立ち行かない格安シェアハウスを遺産として残されたエリートサラリーマン大崎雄哉の視点と親族の間では変わり者と称され、華族の令嬢だったという大叔母笠原玉青の回想の二つの視点を交互に織り交ぜながら物語は進んでいく。
大叔母玉青の回想は戦前から戦後にかけての話で読んでいて泣きそうになる。本当に切ない。そんな中でも必死に己を貫いて生きようとする姿はとてもカッコいい。
雄哉の視点では自分の考えこそが正しいのだと疑わない彼が会社を辞めさせられ、苦悩する。そんな中十六夜荘の住人たちと取り壊しの交渉のために仕方なく触れ合ううちに、そして大叔母がどんな人生を歩んだのかを知るうちに頑な彼の考え方は変わっていく。

 この本は中学生の時にすでに読んだことがあったけれど、やっぱり好きだなぁと思った。

おすすめなのでぜひ読んでみてください。
ではまた。

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