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「夜と本」を終えて

仙台市青葉区春日町にあるカフェSENDAI KOFFEEにて「夜と本」を開催した。オーナーの田村さんにお願いをして夜の時間にカフェを開けてもらい、自分たちの好きな古本や古雑誌を持ち込んで空間のあちこちに本を並べる。来店して頂いた方は通常通りカフェのメニューを頼んで、あとはゆっくり本を読む。もちろん気になった本はその場で購入することもできる。

企画を思いついたのは開催の2ヶ月前ぐらいだ。A4用紙1枚に簡単なテキストとイメージ写真を添えて田村さんにお話した。SENDAI KOFFEEは、もともと夜の営業もしていたが、コロナの影響から夜のお客さんが減少してライブ等のイベントの時以外は、あまり開けなくなったそうだ。SENDAI KOFFEEに限らずコロナを機に営業時間を短縮した個人店は少なくない。コロナが落ち着いた今でも早めに店を閉めている。一度遠のいたお客さんに再び足を運んでももらうのはこちらが想像しているより大変なことのようだ。一方、私のまわりには夜のカフェ難民がちらほら見かけるようになった。夜、ゆっくり一人の時間を過ごすのにカフェは最適だ。本を読んだり、ちょっとお酒を飲んだり、何もしないでぼーっとしたり・・・。居酒屋みたいに騒がしくなく、バーのように気取ってない場所。夜のカフェを求めている人はある一定数いるのではないだろうか。かくいう私もその一人である。

「夜と本」は「ブックイベント」ではない。例えば、物販ブース等を設けて、いかにもな本の販売は行わないし、トークやワークショップも行わない。代わりに本が好きな知り合い数人に声をかけて好きな本を持ってきてもらい、とりあえずカフェにいてもらう。販売しても構わないが一見、販売しているのかもわからないようにしてもらっている。そもそも初めての企画でどれくらい人が来るかもわからないし、主催者側はたくさんの人でカフェ内が埋め尽くされることをそこまで望んでいない。イベントとなると集客ばかりに気を取られてしまうが、「夜と本」にたくさん人が来てワイワイしすぎても私たちは楽しめない。今回、お声がけしたのはそんな主催者側の意図や想いを理解してくれている方々だ。ありがたい。

「夜と本」は、夜のカフェに本がおじゃましている。ただそれだけのことである。ただそれだけのことだけど人が来る。17時から21時までの営業に30名近くの方が会場を訪れた。(正直予想以上に来たのでびっくりしている。)一人で、家族で、あるいは友人と、それぞれが思い思いにコーヒーやフードを注文して、近くにある本や雑誌に手をのばす。じっくり読む人や本を肴におしゃべりを楽しむ人もいた。主催者側も特に接客をするわけでもなく、カフェのオーダーやサーブは田村さんにほぼおまかせして読書やおしゃべりの時間を楽しんだ。時々、主催者側が空間を設えただけで、あとはお客さんに楽しんでもらえればというスタンスのイベントもあるが、「夜と本」はそもそもカフェ好き、本好きが考えたことをとりあえず形にしてみただけでそこに何か熱い想いがあるわけでもない。主催者側の打算的な狙いが透けて見えると一気に冷めてしまうのは私だけだろうか。主催者もお客さんも関係なく誰もがその場を楽しめたら良い。

いつものクセでとりあえずやってみた「夜と本」。1回だけではもったいないので来月も開催予定だ。夜の時間を、本とコーヒーで楽しみたい。

※SENDAI KOFFEEのブログにも簡単なレポートが挙がっています。
※次回は、5月24日(金)18:00から22:00の予定です。


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