百科辞典の代わり
藤子F不二雄作品を読んでいて、一般家庭に百科辞典をセールスする話がいくつもあるのに気付いた。
いや、実際必要ないよ、一般家庭に百科辞典なんて。ネット時代の前であっても。
そもそも多くの人に「調べる習慣」なんて、どれだけインターネット普及以前にあったろう。「調べる事が必要な職業の人」は別にして。
百科辞典、世界文学全集、エラい人の本、こういった物は「本棚」といインテリアが流行ると、その中に収まるものとして流行したんじゃないだろうか。
それは「お客さん」が来た時に「うちはこんな物を持っている格の家だ」と見せびらかす、自分をインテリに見せる為の道具だからインテリアって呼ぶんじゃねえかとというのは、誰か、確かミュージシャンの発言のパクりだ。
そういえば偉い人のインタビューってなぜか本棚の前で行われる。南山宏さんなんか自宅じゃなくて出版社の本棚の前に立ったらしい。
大体、インテリアとして優秀な本は、そもそも本自体が重すぎて読みにくいんだよな。それにカバーなんか無い方が面倒くさく無くていい。
でも自分は図鑑だけはよく読んだ。色々な動物が同じ景色の中に無理矢理押し込められているやつとか。怪獣図鑑でパロディやった人がいるらしい。恐竜図鑑だと海外のやつのパクりだったり。
使われている絵に実は海外に元ネタがあるのは、飛行機あたりの歴史の本にもあった。
偉人伝もエジソンやライト兄弟は面白かったが、俗説とか、裁判の時に自分に有利になるように言った事がだいぶ入っているらしい。
シュバイツァーやシュリーマンなんか、暴露本が出ているという。
ぶっ飛んだ内容で今や高値の「なぜなに学習図鑑」は親の「見せびらかし」に向いていないらしかった。
あと、本なんか買わないのに、なんか話題になった本を買うと、偉くなったと錯覚する人もいた。吉里吉里人は枕に丁度いいらしい。
世代が変わって、実用的なものが求められるようになった。確かにただ置いてあるだけではムダなスペースだ
漫画に抵抗の無い世代に入れ替わった頃に、本当にインテリな人がテレビで、
「あのムダな百科辞典が『手塚治虫全集』だったら、お客さんも『どんなんだろう』って手に取るんですよ、そういう所から立派な装丁の漫画全集が企画されてくるんです」
と言っていた気がする。
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