魅力度と茨城
こういう問題に関して私は素人も良いところだ。「魅力度」って何だ? ただ、つまる所、「イメージだけの問題」とか「言葉からの印象論」だけではないかと思う。
もともと私にとって、広告代理店とかプランナーとかデベロッパーとかプロモーターとかキューレーターとかコンサルとか言う怪しげな響きの人達は、あまり好きな方々ではない。
魅力度における「質問を受ける立場」から考えると、これは単に「質問の仕方が悪い」だけの問題では無いかと思う。この「質問の仕方が悪い」をもう少し考えてみたい。その中にいくつかの理由がある。
・過去の(主にお笑いや悪ふざけの文脈で語られた)イメージだけがずっと引きずられている
こういう差別的な文脈は、差別教育が徹底している地方ではあり得ないのだが、関東については緩く、特に1980年代には神奈川以外の関東を馬鹿にする傾向が存在した。
割と近年でも「昔ながらの暴走族は向こうにしかいない」と聞いた事がある。
それだけではない。
・大抵の人は観光地がどこの県に属しているのか知らない(知らなくても困らない)
この現在のご時世ではなかなか旅行気分にもならないとはいえ、イメージアップの問題であれば観光地の宣伝が手っ取り早く感じる。しかしここにも問題はある。
以前私は四国の方に行って、「伊豆って神奈川県ですよね」と真顔で言われた。静岡県なのだが。しかし確かに伊豆が静岡県にある事を知らなくても、伊豆に行く事はできる。
他に自分の家の近所がらみで言えば、テレビ番組で小田原から芦ノ湖の観光船あたりまでは取り上げても、そこから西側の静岡県側がどうなっているかは取り上げる事は希で、箱根山全体が神奈川県だと思っている人は多い。
でも私もあまり他人の事は言えない。茨城県がらみで言えば、私は以前は鹿島神宮は千葉県にあると思っていた。私が鹿島神宮に行く時は東京から千葉方面に行く列車に乗るからだ。最初に行った時には香取神宮と一緒に行ったというのも大きい。
こういうのは他にもある。私は「日光」は良く聞いている。でも「日光が何県にあるのか?」は実は知らなかった(群馬県だと思っていた)。これも、知らなくても日光にたどり着く事はできるからだ。「上野から列車に乗って宇都宮で乗り換える」というルートがメインだったら理解していたかも知れないが、実際には列車によるルートでは、浅草で乗って途中で寝てしまっても日光にたどり着く。
知名度の高い観光地、「筑波(筑波山)」、「霞ヶ浦」、「大洗」、「那珂湊」、「袋田の滝」等も行ってみなければ「茨城県にある」とはなかなか意識できない。自動車の運転をしない立場だとなおさらだと思う。
タカトシ温水洋一の路線バスの旅は楽しいし、茨城県は何度も取り上げられている。江戸崎の魅力はこの番組で知ったが、他県とまたがって移動すると「何県だったかな」となる。
他にもある。
・インパクトのあり過ぎる名物は、他の物事の印象を薄くする
この「インパクトのあり過ぎる名物」は例えば鳥取県における鳥取砂丘である。鳥取と聞いた時にあまりに鳥取砂丘が頭に浮かび過ぎて、他が霞んでしまう。静岡県なら「お茶」だ。茨城県ならば何か? 「納豆」に他ならない。
納豆が悪いというのではない。むしろ「良い」。発酵食品は注目されている。「茨城県産の納豆」は有名な(有名過ぎる)ブランドである。ただ「別に茨城県産でなくても」という人はいる。お茶が静岡産でなくてもおいしいのと一緒だ。
これは、「茨城県を取り上げているけれど、納豆が出てこない」テレビ番組が増えたら少し改善するかも知れない。
実際にはこの辺はYouTubeで、ちょっと全国的にはマイナーな観光地で「茨城県にある事を知らないとたどり着けない」場所をちょこちょこ出して、「これが茨城県です」地道にアピールしていくしかないのかも知れない。
最近、ヒロシとスパローズによる「地球TV」というYouTubeの番組を知りこれがなかなか面白かった。既にやっていたのだった。ヒロシはキャンプ番組でも茨城県に行っている。こんな媒体がきっかけになっていくのだろう。
その辺からたどって、六角さんが茨城県のローカル線を旅するYouTubeの番組があるのも知った。茨城県はだいぶ減ったとは言え、まだまだローカル線はある県だ。
自分が最近気になっている茨城県の物件だと、「帆引き船」がある。ずいぶん前に霞ヶ浦に行って「陸に上がったイルカ遊覧船」を見た事があったが、その少し前ぐらいに知った。
霞ヶ浦にある、帆船を使った漁で、熊本県にある「うたせ船」に似ている。ただこれは撮影はなかなか難しいっぽいんだが。