メモ そもそも「昭和レトロ」っていつからあるの?

 以前こんな事を書いた。

 自分達の世代が「昭和レトロ的アレ」という時に最初に思い浮かべる作品が、実は1974年に始まっていたという話である。1950年代、1960年代は1974年にはもう「懐かし」だったのである。

 自分が最初に「レトロブーム」という言葉を聞いたのは1980年代前半ぐらいであった。この頃「トナリノミヨチャン」というブランドの駄菓子が売っていると聞いた。あちこちに「お洒落な駄菓子屋」として店舗を展開しているらしかった。

 自然発生的(?)な普通の駄菓子屋ではなく、懐古的なものを意識して取り入れていたのは確かだろう。

 この「となりのみよちゃん」は自由が丘に1976年に開業した、駄菓子とか雑貨を置いている店だったという。今はもう無いそうだ。


 懐古的なものの流行は、どのような流れがあるのだろう。
 私が思い付く所では、1968年頃に「明治百年ブーム」というものがあった。『坂の上の雲』は1968年に産経新聞に連載開始した。今でもレトロ的コスプレ写真の撮影場所となる「博物館明治村」は1965年開園である。

 1967年頃には機関士一家を描いたNHK連続テレビ小説「旅路」が放送され、キネマ旬報から「増刊 蒸気機関車」が出て、「SLブーム」が一般を巻き込む状況となっている。(マニアがSL好きなのは「当たり前」なので、それは「ブーム」とは違う)

 おそらく藤子不二雄の『21エモン』に出てくる「昭和村」も、初出の数年前に開園した「明治村」からの着想であろう。最新のものもいずれは懐かしになり、博物館で見るものになる。F先生の着想はそんな所からだろうか。

『21エモン』には他にも、昔(連載当時からほぼリアルタイムか少し前)やたらたくさん作られた怪獣映画が、「懐かしの名画」になっているエピソードがあった。これが一騒動起こしてしまうんだけど。

「昭和村」的なものは小規模であればあちこちに開業しており、「新横浜ラーメン博物館」もその1つだろうし、まさか「トキワ荘」までもが博物館になるとは思いもよらなかったが、私が面白いと思うのは千葉県松戸市にある松戸市立博物館(1993年開館)で、1964年当時の団地の1室が再現されている。

 この「木造家屋、木造校舎や商店街でなく団地」という感覚が、リアル昭和世代には「振り返るには早すぎる」のである。そのうち「昭和オフィス」や「昭和スーパー」も展示物になるのだろうか。

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ものぐさ太郎α
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