#067 口当たり悪すぎる スラム・スチュワート
はい、確かに、このアルバムは、ピアニストの #エロール・ガーナ の名義です。このアルバムも、美しいピアノを弾いているのですが。
ですが。
それより、強インパクトを与えてくれる、冒頭の4曲のリーダー、 #スラム・スチュワート のトラックはやはり避けて通れないでしょう。
いや、避ける、というよりも、そこできっと引き返してしまう方も多いだろうという、恐怖のトラック。
ただでさえ人の声に近い音を出すコントラバスなのに、それに合わせてハミングしてしまうというトンデモ奏者なのです。
とにかく聞いていただこうと。
曲想も古臭いし、何しろ、コントラバスとハミングのユニゾンが不気味で、本当に最初聴いたときには、気持ちわるくて仕方なかったです。
ドラクエ「冒険の書」が消えたときの音楽と同じくらい聞きたくない音楽でした。
しかし・・・・・不思議なんですよね。歳取ると、こういう、なんというか、唯一無二のこのゲテモノ演奏がだんだん「悪くないんじゃないの」と思えてくるんですよね。
エロール・ガーナは、もともとはスラム・スチュワートのグループに所属して独立しました。
この両者、どちらも後継者は生まれなかったですよね。エロール・ガーナが、真似したくてもできないものだとすると、スラムはは、真似しようとおすら思われない。そういう違いはあるにせよ、「唯一無二」の個性で勝負したところでは通じるものがあったのかもしれないですね。