9歳のボクが考えた不思議な話【現実とか、幻想とか】
1話目「後部座席」
ぼくはよく不思議な体験をします。
ぼくが一番最初に不思議な体験をしたのは、習い事の帰り道のことでした。
いつもの道を、いつも通りのんきに歩いていると、白い車がビューとぼくの横を通り過ぎました。
ぼくはその車をふと何となく見ました。
すると、その車の後部座席には、昔風に髪をまとめた、白い着物を着た女の人の上半身が、こっちを見てニタニタ笑っていました。
ぼくはその人を見た瞬間に、「あっ、この人はこの世の人じゃないな」と思いました。
その時は何とも思いませんでしたが、
後から思い返すと怖いかもしれません。
現実とか、幻想とか。
2話目「謎の発光体」
この不思議な体験のことはよく覚えています。
この謎の発光体を見のは、武道の帰り道のことでした。
ぼくはふと、家の近くの焼き鳥屋さんとマンションの間の薄暗い隙間を見ました。
するとそこには、肌が透けていて骨のようなものだけが見えて、全身が青白い光を発した人型の何かがフワフワと上下に浮いていました。
ぼくはその光景に釘付けになりました。
ぼくはしばらく立ちすくんでました。
「あれ、何やってんの? SK」
「SKー キャッキャッ
何かあるの? 見せてー」
先に歩いていた母と妹が、ぼくの名前を呼んでくれてぼくは我に返りました。
我に返ると同時に、ぼくは怖くなりました。
「わーーー」
悲鳴をあげて、ぼくは逃げ出しました。
「ど、どうしたの?」
さっき見たことをそのまま話しました。
「えぇっ、ホント? 明日見せて」ということで、翌日、家族みんなで昨日の発光体がいた場所に行きました。
でも、そこには昨日見た発光体の姿は跡形もなくなくなっていました。
あれは一体・・・
現実とか、幻想とか。
3話目「公園でのかくれんぼ」
ぼくはこの不思議な体験をして、初めて霊が怖いと思いました。
ぼくはかくれんぼが好きなので、あの日も公園で父と妹とかくれんぼをしていました。
「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 もういいかーい」
ぼくは必死に隠れました。
それからしばらくすると・・・
「はーじーこーにゃーらしきんしーぐーらい・・・」
こんな感じの呪文のような、お経のような声が聞こえてきました。
その声は、間違いなくこっちに向かってきていました。
「これはヤバイ! 連れてかれる!!」
ぼくはそう思って、無我夢中でその呪文のような声から逃げました。
かくれんぼをやっていることも忘れて逃げました。
父と妹のところまで、ぼくは必死に走りました。
そして、このことを話しました。
「じゃあ、ちょっと見てくるよ」
ということで、父はその呪文のような声が聞こえてきたところに向かいました。
30秒後・・・
「何もなかったよ」
父は平然とした顔で戻ってきました。
あの呪文?、お経?は何だったのか、今でも分かりません。
公園でかくれんぼをしているあなた。
もし、変な呪文やお経が聞こえてきたら、用心してくださいね。
現実とか、幻想とか。
4話目「棚の上」
この日もぼくは、妹と寝室で遊んでいました。
「鬼太郎! 危ない!」
「大丈夫ですよ、父さん」
こんな調子で遊んでいると、ぼくはのどが渇いたので、リビングにお茶(コーン茶)を飲みに行って、寝室に戻ろうとしました。
ぼくの家には、寝室と仏間の間に襖があって、その襖を開けると仏間から寝室にも、寝室から仏間にも自由に出入りできます。
ぼくはせっかくだから、電気のついていない仏間を通って寝室に戻ることにしました。
ぼくはふと、仏間にある棚を見ました。
するとそこには、髪の長ーい女の人の生首がうつろな目でこっちを見ていました。
ぼくは生首と目が合いそうになりました。
でも、必死に目をそらして、そのままその場を離れました。
それから気持ちを落ち着けて、仏間の電気をつけました。
でも、そこにはさっきの生首らしきものは、どこにも見あたりませんでした。
おや、あなたの背後に怪な影?
現実とか、幻想とか。