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9歳のボクが考えた不思議な話【ヌケヒコの放浪旅】

ヌケヒコは、もともとははたらものだった。
だけど、はたらものだいきらいな『ヌケがみ』にのろいをかけられて、ヌケてるひとえられてしまった。
いま、ヌケヒコはあせってばかりの友達ともだちアセヒコと一緒いっしょに、『ヌケがみ』ののろいをくため放浪旅ほうろうたびをしている。
とはっても、なんのあてもないのだが。


【ヌケヒコの放浪旅ほうろうたび

話目わめ「エンジンかけて」

ヌケヒコたちがくるまをぶっぱなしていると、信号しんごうあかになった。

ヌケヒコがそのまままえくるまみそうになったから、助手席じょしゅせきのアセヒコがあわててあしばしてブレーキをんだ。

ゴロゴロゴロゴロキーーー

ヌケヒコのくるまはギリッギリぶつからなかった。

「ヌケヒコなにやってんの!?
 信号見しんごうみてた?」

「ああ、ごめん。 まえだけてた」

「もう、ぬかとおもったよ」

そんなこんなで信号しんごうあおになった。

が、くるまうごかぬ。

よこのヌケヒコをてみると、今度こんど信号しんごうたままうごかない。

「ヌケヒコ、くるまをだしてくれ」

「へ? ああ、はいはい。」

ヌケヒコはなにおもったか、かぎく。

「ちょっちょちょ、なんでかぎくんだ? はやくエンジンをかけるんだ!」

「ブルルルルル」

ヌケヒコはなぜか、エンジンのおとをマネするだけだった。

「あ、こりゃぁダメだ」

アセヒコはあきてて、途方とほうれた。


話目わめげろ!」

ヌケヒコたちがもりあるいていると、クマに遭遇そうぐうしてしまった。

「クマだー! げろ!」

「どこに?」

「クマはまえからてるんだぞ!!」

「じゃあ、まえげよう」

「ちがう! うしろだよ」

かった。
 でも、いつげるんだ?
 それに、だれげるの?
 だれからげるんだ?」

「ヌケヒコ。 あんたはナーニっていんの?
 ヌケヒコがいま、クマからげるの!」

「ああ、そうか。 ほんじゃ、さっそくげよう!」

ヌケヒコはやっと自分じぶんあぶない状況じょうきょうにいることにづいたらしく、破竹はちくいきおいでした。

だが、さすがはヌケヒコ。

クマは自分じぶん背中せなかせたものおそいかかるということをわすれて、ヌケヒコはクマに背中せなかけてもうダッシュ。

すると、クマはもちろんおそってくる。

「わーー、クマがいかけてくるー」

一人ひとりクマにいかけられてるヌケヒコを横目よこめに、アセヒコはこうった。

「ヌケヒコ。クマに背中せなかけるといかけられるということをわすれたのか?」

「も、も、もちろんわすれてるよー!
 アーメン ソーメン 味噌みそラーメン
 おたすけーー」

あせったアセヒコは、自分じぶんはクマにいかけられていないのに、なぜかヌケヒコをいかける。

そのとき、クマがヌケヒコにびかかった。

「あぶない!」とアセヒコがおもった瞬間しゅんかん

ヌケヒコがジャンプしてちかくのつかまろうとしたら、えりえだっかかってちゅうぶらりんになってしまった。

が、ぎゃくにそれでヌケヒコはたすかった。

アセヒコはヌケヒコをたすけようと、もうスピードではしっていった。

ダダダダダ

すると、あせっていたアセヒコのくつがスポーンとけてんでいってしまった。

そのくつがなんと! クマの肛門こうもん命中めいちゅう

クマは白黒しろくろさせて、「ウオー」きながらすごいいきおいではしってしまった。

「フー、なんとかたすかった!」

「ヌケヒコ~。 なんでっかかっちゃったんだよ~」

アセヒコはヌケヒコを地面じめんろそうとしたが、どちらかとうとあせってとした。

「いたたたた。 ああ、今日きょうはツキ(うん)がない・・・」

「でも、今日きょうはキレイなツキ(つき)だぜ!」

アセヒコは、うまいことを言ったつもりのようだ。

ホーホホーホー


話目わめ「ヌケがみ一言ひとこと

「ああ、あのヌケヒコにのろいをかけるのはやめよう。
 だって、ヌケヒコはこのごろわしよりマヌケになっとるんじゃから・・・」

マヌケやまからはこんなこえひびいてきた。





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