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紗張(しゃばり)屋の閉店とその影響

 都内にある紗張屋が今年いっぱいでお店をたたむという情報が入っています。今では紗張りを専門としている所は珍しく、昔の染色業界を支えてきた手工業のお店が一つ終わりを迎えます。


紗張りとは?

 型を掘った後に紗というメッシュ状の布を張る作業のことです。
型の補強、柄の中で型紙が離れている部分を繋げる役割をします。
紗張りの出来次第で型の寿命、糊置きのしやすさも変わる大事な作業です。
縞柄は紗を縞に対して垂直並行に張らずに、微妙にずらして張るなど工夫があり、紗張り一つの工程でも細やかな仕事があることを感じさせられます。


紗張屋がなくなることで起こりうる影響


・手彫りから機械彫りへ?

 都内で紗張り専門の所は他に心当たりがないので、ここに依頼していた所は、紗張りを自身で行うか、機械彫りに移行する流れになりそうです。
自身で紗張りをする場合、自分の型だけのために一から紗張りを覚え安定させるまでの時間と労力を想像するとなかなかハードルが高いです。
(手拭いのような細かめ、大きめの型で想像しています)
※今回の紗張り屋の周辺の話として書きました。全国的には既に機械彫りが主流です。


・「型屋」もお店をたたむかも。

 この紗張り屋に仕事をお願いしていたいくつかの型屋(下絵と型ほりをするお店)も辞めるのではという情報があります。
型屋には江戸文字や大紋の下絵から手掛ける人がいます。
牡丹文字など、半纏で使われるデザインを経験を生かして書ける人がさらに少なくなります。
牡丹文字の簡単な説明と、他の文字についてリンクに少し説明があります。


・模様はなくならない

今回の件で、何かの柄が作れなくなるといったことはないと思います。
機械彫りで再現は向き不向きは別として可能です。
手彫りと紗張りに関しても、全国的には技術を持つ職人さんがまだいます。


・自社の藍染印半纏には影響なし

 十数年前から下絵~手彫りによる型ほり~紗張りを自社でできるようにしてきたので、影響はありませんでした。



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