「雑草という名の植物はない」と牧野博士が言うので、雑草に名前をつけてみた。
「雑草という名の植物はありません」
最初これを知った時は草むしりをしたことのないやんごとなき方々の言葉だと思っていた。自慢じゃないが、私は雑草を丈夫に育てるのが上手で、あっという間に庭一面雑草だらけにできる自信がある。伸びやかに雑草を育てる緑の指を持っている。
マンパワー不足でシルバーさんにお願いしたことがあるが、一度で懲りたらしく、ここまで野放しにする家は見たことがないとお説教され、二度目からはいろいろと理由をつけて断られ、秋まで待てばいずれ枯れますよ、と的確なアドバイスをいただいた。そんなんで昨年末に夏草を片付けたら、この春は例年より雑草が少なく、これなら毎年年末に草むしりをしよう、今までが時期的に早すぎたのだと学習した。さすがシルバーさん、年の功だな。
そして今はハナニラのあとのハルジオンが花盛り。可愛い花が庭一面に咲いている。この後はドクダミの番だ。芳香ある葉の造形美を誇り、光ある方までどんどん領地を広げている。ドクダミはジェントルで、他の植物を枯らしたりしない、あくまでも寄り添うだけ。その証拠にスズランと仲良く一緒に成長する。同じ領地にまだらに。
今日は植物学の父、牧野富太郎博士に因んだ植物学の日。名言にもあるように、日本中の植物をくまなく調べ分類し、命名した。それまで雑草と一くくりにされていた植物は名前をもらった。無名の雑草は有名になり嬉しかっただろう。可愛いキラキラネームなら。
牧野博士が命名したかは不明だけれど、名前さえ可愛ければもう少し愛されるかもしれない雑草達の改名をしてみた。今日はドクダミ。
🌿ドクダミ
全国的知名度ナンバーワンの雑草。
新しい名前は、「コノハグサ」。
ググってもありそうでなかった。同名の画像はあるが、ゴマノハグサ科の間違いだと思う。ハート型の木の葉のような美しい形を愛でてあげたい。ハートとかスペードとかも考えたんだけどやっぱり日本語で。
または「拍手草」「応援草」両手を開いて上に向けている姿から。成長の勢いや生命力の強さや他の植物との共生力があり、独り勝ちしない生き方を褒めてあげたい。
英語名にfishがつくのは、この匂いを生臭いと欧米人は感じるからか。日本人の感覚にはないのでは。地域・文化が違えば名前も違う。
これから勝手に名前をつけ替えて身近過ぎる雑草達を楽しもう。
今日は雑草の日。記念日も改名してみた。