梅雨を呼ぶ。水無月、紫陽花、かたつむり。
お散歩をすると、あちらこちらで紫陽花が開花したのを見かけます。
昨年は自生した紫陽花の葉にカタツムリが這っているのを娘と見つけ、感動した娘の顔が見られて梅雨で鬱々とした気持ちが一瞬で晴れたことがあったなぁ、と思い出しました。
また、アスファルト上の雑草に紛れて、菫もいくつかかわいらしい花をつけていました。
春は文字通り桜色桃色の花が開き、そして紫色の花が開くにつれて春が終わり夏になっていく。
季節の移り変わりを色で表すとしたら、春から夏は「ピンクから紫」なんて一考かなと思います。
さて、今回はアルコールについてお話しをする予定でしたが、そちらの記事を完成させる前に面白いことを見知ったのでそのお話です。
みなさん、「スマッシュケーキ」ってご存知ですか?
今月下の子が一歳の誕生日を迎えるにあたり、上の子と同じようなお祝いをするつもりでいましたが、同じく一歳のお祝いをどうするかどうしたかという話題でTwitter上でよく見かける「スマッシュケーキ」という単語。
さっそく調べてみると、赤ちゃんの初誕生日、つまり一歳のお誕生日に赤ちゃん用のケーキを用意して、それを赤ちゃんに大胆に手づかみでいってもらい、おててやおくちその他がケーキで派手になったその姿を激写する、というものです。なんならプロが撮影をしてくれる写真スタジオもあるようです。
もう、驚きましたよね。
まず、上の子の時はそんな文化すらなかった…あったかもしれませんが、確実にここまで話題になるものではありませんでした。
「みんなどんなお誕生日にするのかな」とたくさん調べたものですから。
当時は「水切りヨーグルトケーキ」が流行りでした。
一歳の赤ちゃんにクリームはよろしくない…でもせっかく初めてのお誕生日、ケーキにロウソクを立てたいし食べてもらいたい…
そこで当時の覇権を握っていたのがその「水切りヨーグルトケーキ」です。
色々なアレンジレシピもあって、華やかな写真をSNSでよく見かけたものでした。
育児の常識は10年も経てばすっかり変わるとまで言われたりもしますが、流行もものすごい勢いで変わっていくのだなあと、その変わり目を見られたようで嬉しかったです。
ところでこのスマッシュケーキ、アメリカ発のようですが、日本で流行が始まったころは否定的な意見が多かったようですね。
「わざわざ食べ物を粗末にするなんて」「ただ汚いだけだし、ケーキがもったいない」といった主旨で。
とても、分かります…
ほんと、もったいない…ほんと、汚い…
やめてくれ…
そう思いながら毎日毎食、やられているのです我々親たちは。スマッシュ食べ物。
そう、そして我々が赤ん坊だった頃も、そんなことをしてきたのです。スマッシュ食べ物。
ぐちゃぐちゃにされた食べ物たちを、そのまま捨てるか親が代わりに食べるかは人それぞれですし、ぐちゃぐちゃの程度にもよるかと思います。
ちなみにわたしはぐちゃぐちゃのなかでも割と原型を留めているものは食べてしまう派です。
テーブルにこすりつけられた、もはや作品ですか?状態のものは、さすがに捨てます。
くっ…もったいない…ごめんなさい…
と、毎度後片付けをして疲れながらごみ箱を見つめるものです。
手づかみなんてさせなければいいでしょう?
と、身近に小さい子供がいないと思ってしまうかもしれません。
しかしこの「未熟な手づかみ食べ」がとても大切で、手や指先の刺激に「食事」を付加することは成長過程においてとても重要な役割を持ちます。
例えば食事のみに重点を置いても、その後の「スプーンやフォークの扱い方」へシフトする前の基礎作りが、この手づかみ食べです。
もちろん、そんなことはわたしも子供を持つまで知りませんでした。
しかし、誰もが知るために教育するべきだ!とも思いません。
ただ自分の知らなかったこと、知らない世界のことを自分の定規杓子のみで「ありえない」と「知らないまま否定してしまう」のはとてももったいないんじゃないかな、と思うのです。
初めて出会ったもの、触れたものが、その瞬間まで自分を形作っていたものから見て「ありえない」とまずは思っても、そのまま「ありえない」と断じたアウトプットをするか、紐づけできるものをある程度インプットした後にするアウトプットとでは、どちらが有意義でしょう?
その答えもまた、それぞれでいいかなとも思います。
スマッシュケーキに関しては、念頭にあるものは何か、によって見え方が正反対になります。
「赤ちゃんがケーキをぐちゃぐちゃにする、その姿を撮影する」
「ケーキを食べる姿を撮影する、赤ちゃんは一生懸命ぐちゃぐちゃにして食べる」
印象は変わりますね。まるで正反対です。
良いアウトプットは、正しいインプットから始まるものと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
スマッシュケーキから広がる今回のお話はいかがでしたか?
中には本当に食べ物を粗末にした撮影をする親御さんもいらっしゃるかとは思いますが、悪い事柄はどうしても目立ってしまうというだけで、だいたいの親御さんは常識的なものです。
ちなみに我が家は一升餅をどっこいしょと背負った息子が見たいという一心で、一升餅を背負わせる予定です。
彼は、余裕で背負ってしまいそうです…日頃のわたしの苦労よ、報われよ。
次回こそは、アルコールのお話をいたします。