【エッセイ】8才児と愛の言葉
~皆様言われて嬉しい言葉ってありますか?~
こんな言葉をかけられて嬉しい気持ちになったとかありませんか?
例えば、厳しい上司から「よく頑張ったね」と褒められたり
家族から「いつもありがとう」と感謝されたり言葉って幸せな力を持っていますよね!
人は言語を扱うことで
ミラー細胞というものが活性化して
発した言葉や聞いた言葉の
感情や意欲が生まれるそうです。
他人や物に対して
「可愛い可愛い」と言っていると
脳が勘違いして自分も可愛くなれるなんて聞いたこともあります。
恐らくですけど…
私が速水もこみちさん並みにカッコいいのは今までポジティブなことを言ってきたからなのかもしれません…
そんな言われて嬉しい言葉にまつわるエピソードがありますのでどうか皆様お聞きいただけないでしょうか?
ついこの間の年末年始のことです。
他県に住む姉と甥っ子(8才児)が
我が家に泊まりに来ました。
以前の記事でも話しましたが
普段0才児を見ているものですから
8才児のワンパクさに圧倒されます。
ソファーの上で
シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーと
錯覚するかのように跳び回ったり
私の体をSASUKEの反りたつ壁のようによじ登ろうとしてきたり
Creepy Nutsの早口ラップ並みにものすごいスピードでポケモンの話をしてきます。
前回は妻がウリ坊を連れて帰省していたので今回ウリ坊にとって甥っ子と会うのは初めてでした。
ウリ坊は普段これだけ暴れまわる人を見たことないものですから、目をまん丸にして不思議そうな顔でジーッと観察していました。
あらゆるオモチャよりも
甥っ子の暴れっぷりを見るのが何よりのエンターテイメントのようです。
甥っ子が動き回る度に
ウリ坊はキャッキャッと笑っていました。
ウリ坊が楽しそうにしている一方で
私は「叔父さん遊ぼ!叔父さん遊ぼ!」
とせがむ甥っ子に対して正直クタクタになっておりました。
甥っ子は一人っ子で義兄は多忙な身です。
普段遊び相手があまりいないと聞きました。
全力で遊んであげたいところです。
しかし、
叔父さんの足は
先ほどの無限鬼ごっこで
もう地球の重力に逆らうだけで精一杯です。
どうしようと考えた時に
ある名案が浮かびます。
そうだ!
家事をしてもらうってのはどうでしょう!
ゲーム感覚で家事をしてもらえば
甥っ子の遊びたい気持ちを叶えられるし
家事も終わるしで一石二鳥です。
早速甥っ子に
「お風呂にイワークがいるから
バブルこうせんとハイドロポンプを
おみまいしてあげて(だいぶ古いポケモン知識)」と伝えるとなんとなく意味は伝わったのか一生懸命やってくれました。
よしっ!作戦通りだ!
私は自分の作戦に感心していると
「ねぇ、叔父さん。どのくらいでイワークのHP0になる?」と
甥っ子がシャワーを持ちながら私のほうに振り向きました。
「あああああ!!!」
シャワーの水が
私の下半身にかかりビショビショになってしまいました。
まぁまぁ、想定内です。
こういうこともあります。
私はズボンを履き替えてから
今度は洗濯物を畳むのをお願いすることにしました。
「叔父さんと洗濯物を畳むのどっちが早いか勝負しよう!」
「ええー?」と甥っ子が少々嫌な顔をしましたが「はい!よーいどん!」と無理矢理ゲームに参加させました。
すると、甥っ子が焦って
洗濯物を畳み始めました。
ふっ、作戦通り…
そして、悪いですけど叔父さんは洗濯物を畳むのが家族の中で異常に速いです。
(丁寧さが欠けているだけ)
叔父さんは負けず嫌いなので
いくら相手が8才児だからといって
手加減はしません。
私が目にも見えないスピードで洗濯物を畳んでいると
「できた!」と甥っ子の元気な声が聞こえました。
なにぃ!!?
速すぎる!!!
見てみると
そこにはキレイに肉団子のように丸まった洗濯物の集合体がありました。
これは…ズルです…
イカサマです…
でも、ルールとして
どのように畳むのかをしっかり明示していなかったため私は何も言えません。
ルールの穴をつかれました。
仕方ないので
甥っ子とポケモンしりとりしながら
肉団子を解体して洗濯物を畳み直しました。
そんな日々が続き
甥っ子がいよいよ帰る日がやってきました。
あれだけ騒がしかったのですが
やっぱりお別れは寂しいです。
姉が荷物をまとめている間
甥っ子が私のところにテクテクとやってきて小声で何かを言ってきました。
私は聞き取れなかったので
「なに?」と聞き返しました。
「だから!
…叔父さん
…好きだよ」と
モジモジしながら耳打ちしてきました。
その瞬間、平井堅さんの「瞳をとじて」が私の頭の中で大音量で流れてきました。
ええええええええ!!
なにそれええええええええ!!?
8才の男の子ってそんなことできるのおおおおお!!!
そんなのズルいってぇぇえええええええ!!!
うわわああああ!!
甥っ子ちゃんまだ帰らないでええええ!!
そんな願いも虚しく
甥っ子は車に乗って帰っていきました。
私は甥っ子に「好きだよ」と言われた
嬉しさが抑えきれず家族に自慢しました。
すると、妻が
「私も大好きだよって言われたよ!」と言うのです。
え?
あの言葉は私にだけ言ったものじゃないのですか?
母も「私も、帰り際に恥ずかしそうに大好きだよって言われたよ」と言うのです。
私には「好きだよ」でしたが
妻と母には「大好きだよ」と「大」がついているのです。
私は嫉妬しました。
ちなみにウリ坊にもじいじにも
ワンコにもニャンコにも隣家の人にも
大好きと言っていたそうです。
しかも、あとで判明したのが
アレクサには
「大大大大大大大大大好きだよ」と
言っていたみたいです。
今度甥っ子が遊びに来たときは
アレクサに勝てるように頑張りたいです。