![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/41614352/rectangle_large_type_2_4e800697aa00d86b32ef5891cf61bdb9.jpg?width=1200)
カルシウムについて
去年はこれまであまり意識してこなかったカルシウム散布を行ったおかげでBT剤も使わない有機栽培で虫の被害が明らかにすくなくなった。
改めてカルシウムについて今一度、どのような効果や働きが植物や土壌にあるのかまとめてみる。
1.植物にとってのカルシウムの働きとは?
正常な体の生長、およびその活力や健康の維持に大事な働きをしている。細胞と細胞の間のペクチン酸カルシウムとなり、組織として強固にするために働く。
・細胞壁を強化する
植物は丈夫な細胞壁を持つことでウイルスや細菌が引き起こす病気への抵抗力が高まる。
・植物細胞の成長を促す。
カルシウムは根、茎、葉などの植物の生長点に不可欠な栄養素。花や果実が出来るときの細胞分裂を盛んにして正常に進めるという役割をしている。植物体内で水やタンパク質・炭水化物の移動に関係している。
・生理作用を営むうえで重要な酵素の働きを活性化させる
・カルシウムは他の多量栄養素と違い、作物体内で移動しにくい特徴がある。
移動しにくいので、養分欠乏は新葉、成長点、根の先端の分裂組織などに現われる。
カルシウムは古葉や古い組織からの移動がしにくい成分であるので作物の生育初期から生育期間中の全過程にわたって途絶えることなく供給する必要がある。
2.土壌中のカルシウムの働き
・酸性土壌を中和する
土壌の酸性化を抑制する
・土の粒子がくっつきあうのを助け、土壌の団粒構造化を促進する。
・土壌の消毒
植物の病気の多くが病原性の最近やウイルスによるものである。カルシウムにはそれらの繁殖を抑える効果がある。ほとんどのウイルスやバクテリアはpH12以上の強アルカリ環境で不活化され感染性を失う。
3.カルシウムと植物ホルモンの関係
果実
肥大の抑制・・早期から高濃度液を散布した場合
成熟の遅延・・エチレン生成、ワックス溶出の遅延
貯蔵力の増強・・生理病の発病抑制。果肉硬度低の遅延。
着色の改善・・枝の伸長抑制や葉の角度が経つことが原因か?
葉
派出角度が鋭角・・上側に湾曲する場合もある。
枝
伸長抑制・・早期からの連続でみられる。
樹勢
落ち着く・・2~3年連続散布すると明らかに現れる。
4.カルシウムの吸収効率
カルシウムを効果的に植物に吸収してもらうために酸で溶かして吸収させる方法もある。どういう目的か明確に持っているとどのカルシウムが効果的なのかがわかってくる。
<水1Lに対する溶解度>
・酢酸カルシウム→347000mg
・ギ酸カルシウム→166000mg
・乳酸カルシウム→97000mg
・リンゴ酸カルシウム→13771mg
・クエン酸カルシウム→26mg
・炭酸カルシウム→15mg
この表をみると酢酸カルシウムと炭酸カルシウムでは2万倍以上の差がでる。
5.品質保持のための散布
pHが12.5以上の強アルカリ資材を使えばカビの発生が抑えられる。例としてはカボチャの収穫後にヘタの所に発生するカビ対策に強アルカリ資材のスーパーエコシェル0.2%の水溶液を散布をするとカビの発生が抑えられた事例があります。
今年はカルシウム資材をしてスーパーエコシェルを使いましたが、この資材はとても応用が利く資材でカルシウム供給だけで無く、いろいろな物を消毒するのにも使えるということです。食品添加物でもあるので安全なしざいでもあります。コストパフォーマンスもかなり高く使い勝手のよいオススメの商品です。また資材の特徴もまとめていきたいと思います。