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AI vs 人間 ─140字短編小説対決─

私は長編小説、短編小説のほかに140字前後の超短編小説を書いていますが、友人に「この程度ならAiでも書けるよ」と言われました。
そこでAIに負けない超短編小説を書きます。
プロンプトには、私の短編小説とこれに似た140字以内の短編小説を書いてください、と書きます。
5回勝負です。
ではいきましょう。上が私、下がGPT-4oです。miniでもProでもない点に注意。

第1ラウンド

自分を犬だと思い込んでいる男が精神科を受診した。  

「あなたは自分を犬だと思っているそうですね」  
「はい」  
「いつからですか?」  
「子犬の時からです」  

AI。

ある日、鏡を見ながら男が言った。  
「最近、妖怪に取り憑かれてる気がするんです」  
不安そうに家族に相談すると、母親がため息をついた。  
「取り憑かれてるんじゃなくて、あんたが妖怪なのよ」  
男は鏡に映る自分の一本足を見て納得した。

これ、どっちがAIか3人に当てさせたところ、みんな前者の犬の話がAIだと答えました。
私はAIに負けているのか……?それともなんとなくAIっぽいのか……?

第2ラウンド

「朝は4本、昼は2本、夜は3本なのはなんだ」
「簡単な問題だな、答えは人間だ。人間は朝、生まれたばかりの時は4本足。昼、成長した時は2本足。夜、老人になると杖をつき3本足になる」
「お前の飲酒量だよバカ」

「俺、未来が見えるんだ」  
友人が突然言い出した。  
「例えば?」  
「明日、君は朝ごはんを食べる。昼に腹が減り、夜には眠る」  
「それ普通じゃないか」  
「あと、明日君が怒る未来も見える」  
「なんで?」  
「俺が貸した千円、まだ返さないからだよ」

これは朝、昼、夜に何何がどうの、というのは共通していますね。
未来を当てるという展開は私の短編にはなく、面白い展開だと思います。

第3ラウンド

「お前が金さえ払えばどんな汚い仕事でもするという殺し屋だな」
「あぁ、どんな汚れ仕事もやってやろう」
「そうか、なら早速目的地へ向かってもらう」

 ──
「ここだ」
「この家にターゲットがいるんだな」
「トイレが詰まってるのをなんとかしてくれ」
「汚い仕事ってそっちかよ!」

何回かやると面白い短編を書いてくれました。

「お前がどんな無理な依頼でも受ける便利屋だな?」  
「ああ、どんな無茶でもやってやるさ」  
「なら、早速頼みたいことがある」  

──  

「ここだ」  
「なるほど、この場所を片付けるんだな?」  
「そうだ」  
「ゴミ屋敷か? 廃墟か?」  
「俺の嫁の機嫌だ」  
「それだけは無理だ!」

これは素直に感心しました。
なんでも直せるけど人の心は直せない、いや治せない……これだけで小説書けそうですね。

第4ラウンド

「あたたたたたたたたたた!!」
「ふん、効かんな。そんな突きで攻撃しているつもりか?」
「……17回」
「なんのことだ?」
「俺が突いた回数、そしてお前が振られた回数だ」
「痛い所を突きやがって……」

AIは…

「俺の拳はすべてを壊す」  
「ほう、壊してみろ」  
男は拳を振り上げ、一撃で壁を粉砕した。  
「どうだ」  
「確かに凄い。だが、その拳で壊せないものがある」  
「なんだ?」  
「俺の心だ」  
「……そのセリフ、元カノにも言ったのか?」  
「心を砕くな!」  

これはAIも面白いと思います。
私が書いた短編を巧みにオマージュしつつ、独自要素もある。
一本取られたな、という感じです。

では最後。

第5ラウンド

「15年の研究により遂に馬鹿につける薬が出来たぞ!」
「ほんとか!? それさえつければ馬鹿が治るんだな!」
「だが問題がある」
「なんだ?」
「それが肝心の馬鹿がいなくてな」
「そうか、つける相手がいないのか……」

 22世紀の世界では人類は遺伝子操作技術により、皆IQ200を超えていた。

「どこかに馬鹿はいないものか……」

AI!

「ついに透明になる薬が完成したぞ!」  
「本当か!? それを使えば姿を隠せるんだな!」  
「だが問題がある」  
「なんだ?」  
「薬が透明すぎて、どこにあるか分からない」  
「お前……飲む前から隠れてどうするんだ……」  

22世紀、人類はIQ200を超えても、凡ミスだけはなくならなかった。

これは秀逸だと思いました。
凡ミスが消えないというオチも綺麗だと思います。
こっちの方がスマートで面白いのでは?と思いました。

まとめ

AI強い。皆さんの中では私が何戦何勝だったかは各々によるでしょうが、AIの方が面白い!と思った作品もあると思います。

そうでなくとも、AIが書いたとは思えないという作品も多かったかと思います。

今回試したのはGPT-4oでしたが、月200ドルの契約で使える4o-Proだったら惨敗だったかもしれませんね。

皆さんもAIと勝負してみてはいかがでしょうか?

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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