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内モンゴル・二連浩特 ~モンゴルのビザを取得する旅~
2018年10月、ウランバートルから鉄道とバスを乗り継ぎ、内モンゴル自治区の二連浩特(エレンホト、Erenhot)へ行きました。その時の様子をご紹介します。最後には、海外に行くうえで大切だと思う考えについて書きました。
この記事を読むにあたって、以下の情報を知りたい方は特におススメです。
・モンゴルのビザ情報
・陸路でモンゴル~中国へ行く方法
・内モンゴル(二連浩特)の様子
ちなみに、2017年10月にはサッカーチームのトレーニングキャンプ帯同で、呼和浩特(フフホト)へ行きました。その時の様子は以下のリンクからご覧ください。
なぜ内モンゴルへ
今回はモンゴルとの国境町である二連浩特のモンゴル領事館へ行くことが目的でした。
就労ビザをモンゴル国内では発行することができない決まりがあるようで、他国のモンゴル大使館(領事館)に赴く必要がありました。日本に帰国するには出費がかかるため、近場の内モンゴルに行くことにしました。ビザの延長に関しては、モンゴルのイミグレーションで手続きをすることが可能です。
実際の就労ビザ。何という雑さ加減なのでしょう、印刷ズレ過ぎ。笑
モンゴルのビザ事情
せっかくなので、モンゴルのビザに関して、少し説明しておきます。
日本国籍の方がモンゴルに渡航する際、30日以内の滞在であればビザは不要です。パスポートさえ持っておけば、気軽に訪れることができます。
長期滞在者は何かしらのビザを保有しておく必要があります。ただ、これらのビザはモンゴルから出ると無効になってしまうため、要注意です。そこで必要になるのが再入国許可証。ビザとは別にイミグレーションで申請しなければなりません。
種類は4つ
①一回のみ有効(有効期限180日以内):54,000MNT(約2,030円)
②二回のみ有効(有効期限180日以内):81,000MNT(約3,050円)
③複数回有効(有効期限半年間):126,000MNT(約4,750円)
④複数回有効(有効期限一年間):252,000MNT(約9,500円)
※2020年7月時点のレートで計算(1JPY≒26.53MNT)
私はスポーツチームの海外遠征帯同が年に何度もあり、その都度手続きするのも面倒であったため、一年間に何回でも出入りが可能な④を保有するようにしています。
2020年7月現在、COVID-19の影響でモンゴルは長い鎖国状態が続いております。それに伴い再入国許可が下りません。すなわち「モンゴルから出れない」「もし出た場合はしばらくの間は戻ってこれない」という状況です...早く終息することを願っております。
以上のビザや入国に関する情報は2020年7月時点のものです。渡航の際は、最新情報や詳しい情報について各自で調べてください。
⇩モンゴルのイミグレーションのホームページ
鉄道(ウランバートル~ザミンウード)
鉄道では中国直通の便もありますが、割高になります。したがって、まずはモンゴル側の国境町であるザミンウード(Замын Үүд)まで向かいます。ちなみに、二連浩特で商品を格安で仕入れてきて、生計を立てるモンゴル人は非常に多いです。
ウランバートル駅は下の写真の赤丸部分になります。
駅まで市内バスで行く場合は、”Ч:6、Ч:17А、Ч:21А、Ч:27、Ч:29、Ч:42、Ч:46、Ч:74、Т:4”のいずれかに乗って、"Вокзал"というバス停で降車。
タクシーで行くなら、地図を見せるのが一番手っ取り早いですね。
ウランバートル市内の交通手段については、また別の記事で詳しく紹介することにします。
さて、駅の外観はこんな感じ。
⇩ここの建物の中にチケット売り場があります。
時間帯によっては、かなり混雑しています。さらには列を作らずぐちゃぐちゃしたり割込みも頻繁にあったりするため、時間に余裕を持って行った方がいいかもしれません。
モンゴルの銀行カードを持っている場合は、鉄道のホームページからチケットの予約・決済が可能なのでそれを強くお勧めします!長くなるので、リクエストがあれば、その方法についても書くことにします。
待合室には食堂やコンビニなどの売店もあります。
各車両の入り口に添乗員が立っているので、チケットを見せて乗り込みます。
※ホームや車両の写真を撮ろうとすると、注意されることがあるのでその時はおとなしく従いましょう。
夕方の17時にウランバートルを出発して、翌朝の7時にザミンウードへ。今回は個室じゃないタイプの寝台ベッド席を利用しました。一区画に通路を挟んで、2段ベッドが3つ。収納スペースが限られているので、大きな重い荷物がある方は下段を選んだ方がいいと思います。
ただ、一人の時間を穏やかに過ごしたい方は、上段の席を予約時に確保するようにしましょう。
それはなぜか?
この日、私の席は下段で、二連浩特へ日用品の仕入れに行くおばちゃん3人組と同じ区画でした。彼女らは我が物顔で私の席にも大量の荷物を置き、女子会を始めました。話し声は騒がしいし、食べたり飲んだりでゴミやカスで散らかるし...マナーもへったくれもありません。※もちろん、全てのモンゴル人がそういう感じというわけではないですよ!
私自身は日本人であることを伝えたら、かなりフレンドリーになって、国境の越え方を教えてもらったり、食べ物を分けてもらったりと。話せばいい人たちでした。
車内の設備としては、トイレや給湯器、運が良ければUSB充電口が備え付けられています。
また、カートでの車内販売があるのでそこで軽食(カップ麺、ゆで卵など)や飲料、トイレットペーパーなどを手に入れることも可能です。
バス(ザミンウード~二連浩特)
ザミンウードについたら、ホームのすぐ隣にある広場に国境を越えるためのバスやタクシーがたくさん止まっています。どれに乗っていいのかわからないし、客引きがしつこい、さらに英語は通じないことが多いので、戸惑うかもしれません。徒歩では国境を越えることができないため、何かしらに乗る必要があります。
列車で一緒だったおばちゃんから乗り方や相場は聞いていたので、ぼったくられる心配はありませんでした。とりあえず人がたくさん乗っていたら安心だろうという理由で、テキトーにバスを選択するも、これが功を奏しました。これはまた後で書きます。ちなみに往復で44,000MNT(約1,800円)しました。
出国・入国手続きはそれぞれでバスを乗り降りするので、間違えたり乗り遅れたりしないように気をつけなければいけません。また、ここでも、”ワレ先に行かんぜよ”とばかりに激しいバトルが繰り広げられるので、乗り遅れないためにも自分の番を死守しましょう。
モンゴル側
中国側
無事に中国に入国したら、バスは二連浩特の中心地にある市場の駐車場へ。見えにくいけど、下の写真の真ん中あたりです。
本来はここでみんな降ろされるのですが、運転手にモンゴル領事館に用があると話をしたらそこまで送ってくれました。さらには「明日○○時に、市場の駐車場に来たら乗せていくよ」と教えていただき、帰りも難なく国境を越えることができました。親切な方で非常に助かりました。
二連浩特の観光スポット
午前中にモンゴル領事館でビザの手続きを終え、昼過ぎに取得して無事に任務完了!すぐにモンゴルに帰ってもよかったのですが、せっかくだから一泊して二連浩特を観光することにしました。
と言っても、中心地は何もありません!(笑)そこで、国境付近にある二连浩特恐龙博物馆へ。入場料は60元(約900円)。
写真を見ていただくとわかると思いますが、敷地内は広く展示物も充実していました。お客さんは私を含め3組くらいしかおらず、ほぼ貸し切り状態。歴史や化石などに興味がある方には、おすすめスポットです!ただし、ここへ来る交通手段はタクシーしかありません。(地図の左下が二連浩特の中心地)
モンゴルとは違い運賃は高く、往復で約3,400円かかりました。さらに注意なのが、「博物館にお客さんはほぼ0」「博物館周囲はサラ地」であるため、帰りのタクシーを捕まえることができません。私は行きに乗った際にタクシーのドライバーと連絡先を交換して、帰るときに呼ぶことができました。
観光するような場所をもう一つ挙げるとしたら、バスの降車場であった市場。屋根がついている屋内型で、衣料や家具、工具などを取り扱う小売店がずらーっと並んでおります。
中国らしい商品がそこかしこに見られます。
今回のホテル・グルメ
ホテルについて、ネットで調べても全く情報が出てきません。そこで町中を歩き回り、10軒以上のホテルの価格や部屋を実際に見た結果、欧连国际大酒店に決定。市場の目の前に位置します。安さと清潔さを兼ね揃えているうえに、”International”と書いてあったから外国人向けであろうと思いました。笑
値段は忘れてしまいました。チェックイン時に保証金を要求されましたが、そんな現金を持ち合わせておらず、パスポートを預けることになりました(チェックアウト時に返却)。設備は特に申し分なく、窓からは中心地の広場を見渡せるいい感じの部屋でした。
朝食はバイキング付き。どれもケミカルな味がしました。
特に左下の潰れた餃子は、”千と千尋の神隠しにて、ハクが吐き出した呪いの虫を踏む潰した千尋”と同じように身体がゾワゾワと反応を示すほど。
それでも、私の味覚には合わなかったのはここの食事だけ。他に街で食べたものは、どれも美味しかったです!おすすめをご紹介します。
イカの炒め物
魚介類はモンゴルでは食べられない(あっても高級である)ため大満足。玉ねぎは火が通ってなく、辛みMAX。
刀削麺
市場の横に並んでいる食堂の一つ。外観・店内ともに汚入りにくいけど、安くて味はバッチリ!
ラップサンド
市場の前にある屋台で購入。卵・ベーコン・ウインナー・野菜もろもろ入ったもの。中国っぽい味付けで、苦手な人もいるかも。でも安くて美味しい!
ミルクティー、カフェオレ各種
ミルク感が強く、良くも悪くも甘さが際立つ一品。
最後に
チケット購入の際に順番を守らなかったり、列車では人の気を使わないなどをお伝えしました。この他にも「どう考えてもおかしいでしょ」「なんでそんなことするの?」と、日本では考えられない出来事がモンゴルで生活していて数多く遭遇します。
以前よりモンゴルは自家用車の急増に対して、駐車場が充分には整備されておりません…
— Nishi🇲🇳モンゴルのトレーナー (@Nishi_249) July 22, 2020
毎日のように駐車場は満車、路駐も多くさらなる渋滞の原因に。
出れなくて(通れなくて)困るだろうって考えはないのか、出れない側も当たり前だと認識しているのかな?
いや、きっとテトリスが好きなのでしょう。 pic.twitter.com/64LU6YQRLh
ただ、このようなことは決してモンゴルや中国に限ったことではなく、当然、国ごとに違った文化や習慣があります。反対に日本を訪れた外国人が日本人の様子を見て、違和感を覚えることはあるでしょう。
私はモンゴルを訪れた日本人の方をお手伝いや案内することが何度かあります。上記のようなマナーが無い光景に遭遇して、気分を害される日本人は少なくない印象があります。私からしたら「モンゴルで、なぜ日本のクオリティを要求するのだろう?」と疑問に思います。”ここは日本ではない”、”当たり前だと思っていることが、当たり前ではない”ということを認識しておくべきだと思います。
目の前に起きている現象や人を変えることはできません。可能なのは自分の捉え方を変えること。日本にいるだけでは、日本での経験・価値観でしかモノを見ることができません。もっと視野を広くし、心に柔軟性を持ちたいと感じます。
自分の価値観や常識とは違った場面に遭遇する非日常を実感できるのが、海外の醍醐味の一つでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!モンゴルでのスポーツ活動についても、多くの記事を投稿しているのでそちらもチェックしていってください!
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