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怨んで死んで祀られる
NHKオンデマンドで新日本風土記「隠岐諸島」を見た。
隠岐は伊豆諸島や八丈島と並び、一度行きたい所だ。要するにかつて流刑の地だった島に行ってみたいのである。佐渡は訪れたことがある。
隠岐の島に流された人物のうち、最初に思い浮かぶのはやはり後鳥羽上皇だろう。承久の乱で鎌倉幕府に破れて配流された、あの方である。
隠岐での上皇は、罪人ながら極めてやんごとなき際というので、土地の支配者に傅かれていたそうだ。没後は立派な陵が築かれ、今でも大事に守られている。都から遠く離れたとはいえ、食うには困らず、島民から尊ばれ、時には闘牛などの娯楽も提供された。のんびり隠居を決め込めむなら十分な生活だったろうに、治天の君であった御方ともなれば到底受け入れ難かったらしい。死後は怨霊になったと伝えられている。
ズブの庶民である私などにしてみれば、うらやましささえ感じる境遇。支配者ゆえの苦悩は贅沢と言ってしまえばそれまでだが、最高位にいたがゆえにかえって足るを知れなかったのだとすると、人としては哀れさが勝る。まあ、上皇にしてみれば余計なお世話だろうが。
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