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出身国によって意見が分かれるイタリアの安全事情
外国在住外国人という立場だと、日本にいる時以上に、他国の人と知り合ったり、他国の人の意見や考えを耳にする機会が多いのだが、イタリア在住外国人でも、当然ながら、出身国の状況によって、イタリアのその状況が良いのか否か、意見が分かれるものである。
秋にインターナショナルなグループで知り合ったブラジルのリオデジャネイロ出身の女性は、「イタリアに来てよかった。イタリアは安全だもの」と言った。わたしは、それに対してあえて同意も否定もしなかったが、心の中では「ブラジルから来たら、そう思えるのだろうな」と思った。
一方、別の会で知り合ったシンガポール出身の女性で、以前に日本に2年ぐらい在住していた経験のある人は、「イタリアでは、夜にひとり歩きがしにくいから、不便よね……シンガポールや日本では、夜遅くに歩いていたり、電車に乗ってもわりと平気だものね」と言った。前夜に友人とのパーティーがあったが、帰りが遅かったからパートナーに迎えに来てもらったこともふまえての言葉だった。
この点に関しては、日本人のわたしからしてみると、自ずと後者と同じ意見になる。
日本も最近は危ないことが多いと、日本在住の方が口をそろえて言われるのだが、それは日本水準での比較であって、やはり外国諸国に比べるとまだまだ安全な点も多いのだと思われる。
たとえば、わたしは、ある程度遅い時間帯には、あまり電車やバスなどの公共交通機関にひとりで乗りたくなくて、それが日本と比べるととても不便だなと思うのだが、その時間帯の線引きを周囲のイタリア人女性に尋ねると、ジェノヴァ周辺では電車ならば19時半から20時ぐらいまでと言う人が多かった。夏であれば、夏時間の適用もあり、21時から22時前ぐらいまで明るい時もあるので、もう少し幅が広がるかもしれないが、イメージ的にはラッシュアワーを過ぎた人もまばらな電車やバスには、ひとりではあまり乗りたくないというところだ。
もちろん、絶対に危険というわけでもないが、人が少ないところで何かあった場合には、他の人に助けを求めにくい、求められないからだ。
イタリア人男性には、その時間の線引きについては尋ねていないが、日本人の方は男性でも海外では気を付けるには越したことはないと、わたしは思う。男性同士だとフレンドリーに声をかけられたら気を許しやすいところがありそうなので、そこで危ない目に合うこともなきにしもあらずなのだ。
まあ、それで日本から海外にいらした日本人の方は気が張っているのかもしれな。
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