彼の名は...「グレゴリオ」
11月の初めに、昨年結婚式に出席していたイタリア人の友人夫妻に男の子が誕生した。
夏にはすでに性別も分かっていて、名前の候補を考えているのを聞いたが、その中にあったものの、まさか選ばないのでは?と思っていた名前に決まったと、誕生の知らせと共に知った。
彼の名は「グレゴリオGregorio」。
わたしの知り合いの中では老若男女ひとりもその名前の人はいない。
古くからの名前だそうだが、現在はそれほど流行ではないのだろうか?
Wikipediaイタリア語版の説明によると、
その名の由来は、ギリシャ語のΓρηγόριος (Grēgorios)から、ラテン語のGregoriusを通して4世紀以降のローマ帝国時代に見られるようになったとのことで、語源にはギリシャ語の動詞γρηγορέω (grēgoreō)(イタリア語訳"sono completamente sveglio"(完全に目を覚ましている、の意)があり、「注意深い、用心する」の意味も、「鋭敏、活発な」の意味も持つとのこと。
この名前はキリスト教徒の間では広く人気があり、と言うのも「新しい信仰に目覚める」「信仰への準備ができている」という意味に解釈され、ギリシャ正教会の偉大な教父やローマ・カトリック教会の教皇(法王)たちや聖人たちもその名を持っていた。
イタリアでは、その多くは南イタリア、特にシチリアに多く、いくつかの短縮形名はトスカーナに見られるのが典型的とのこと。
「グレゴリオ」のオノマスティコ(聖名祝日)は、一般的には大聖グレゴリウスと呼ばれたグレゴリウス1世のローマ教皇就任記念祝日の9月3日(590年)とされるが、その他の日付にもこの名前を持つたくさんの聖人の祝日が存在する。
なるほど、どうしてこの名前に決めたのか、深いところまでは追及して尋ねておらず、周囲にあまり同じ名前の人がいなくて、かぶらないからかなぁ……ぐらいに想像していたのだが、元々の名前の由来や起源を見ると、キリスト教に深く繋がっているということで、この友人家族は信仰に篤い人たちなので、そういう理由でも選択したのかもしれない。
わたしは世界史についてはあまり明るくないので、「グレゴリオ」と耳にして、「グレゴリオ歴」しか思い付かなかったのだが、グレゴリオ歴(現在の太陽暦)は、ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス歴の改良を命じ、1582年10月15日金曜日から行用されている暦法で、日本では、1873年(明治6年)1月1日から導入されたとのこと。
グレゴリオ誕生の知らせを人づてに知ってから数週間後にお祝いメッセージを送ったら、「ありがとう!プレゼントもありがとうね!」と返信があり、いや、誕生祝いのプレゼントは贈るつもりだったものの、まだ贈ってないけど、、、もしかして、催促かしら??それとも、誰かのと勘違いしてる??と思いつつ、会う日の前に購入したのが画像のニットのカバーオールとソックス。
(実際に会って、プレゼントを渡す時に、「ゴメン、ゴメン〜」と言うので、「そう、返信見て、まだ渡していないけど、催促??って思った〜〜」と、言えるぐらいではあるので、まあ、それほど問題ではなく)
プレゼント用に包んでもらった袋の名称を見て、ヴェローナのニットメーカーのものだと知る。グレゴリオのお母さんはヴェローナ出身で、あぁ、また気が付かずに地元のメーカーのものを選んでしまったわ、と。「また」と言うのは、前年のクリスマスギフトでパンドーロ(クリスマス菓子)を選んだら、本場ヴェローナのメーカー(イタリアで、パンドーロは現在全国区であるが、元々はヴェローナ発のドルチェ)のだったと後から気が付いたのだ。
これは、こちらにいる誰かがわたしに日本製や東京のものを贈るような感じか?と、自分に置き換えて考えてみたが、わたしの場合だったらそれはウェルカムだけれど、イタリアの人はどうなのかなぁ……と。
気になったので、プレゼントのお礼の電話があった際にそのことについて口に出したら、「ああ、わたしと同じところから来たのね~~~」と、こちらで言い出すまでは、特に頓着はしていなかったようだった。
お宅訪問をする予定ではあるものの、赤ちゃんの成長は早いので、のんびりしているとあっという間に大きくなってしまいそうだ。