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何時が好き?
カッチカッチ カッチカッチ
チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ チッ
家のキッチンには時計が四個ある。
掛け時計が二台、置き時計が二個、その内の一個はデジタルで、室内温度と室外温度を表示する気温計を兼ねる。
掛け時計は、一台はイタリア時間を刻み、もう一台は日本時間を刻む。
日本時間用は、円形で時計盤は白く縁は紺。
先代のイタリア時間用は、全く同じシリーズではないものの、円形で縁がレモンイエローで、一見すると二台は色違いのお揃いのようだった。
後者が壊れて、動くなってしまったタイミングで、友人から誕生日プレゼントとして掛け時計をもらったので、そちらに掛け替えた。
わたしは、その六時と七時、次いで五時が好き。
他の時計ではその好みはないが、この時計ならではの好み。
というのも、この時計は円形の小さい白い時計盤の周囲に色とりどりのスプーンとフォークが時間ごとに並んでいるのだが、その色の好みを意味する。
六時と七時と五時の色を言い表そうとすると、これがなかなか難しい。
より近い色を探してみると、六時はリバーブルーのスプーン、七時はアクアマリンのフォーク、五時は紺瑠璃のフォークになるようだ。
その時計をなんとなく眺めていると、どうしてもカラフルなスプーンとフォークに目が行く。
そして、人が来た時などは、「何時が好き?」と尋ねたくなる。
たいてい、みんな自分の好きな色を選ぶものだ。
緑好きは十時、赤好きは一時。
わたしも緑は好きだが、どちらかと言うと、その緑よりは緑がかった青系の六時を選びたい。
その時計について調べていたら、日本でも販売されているようで、想像以上によいお値段だった。
「売ったら?」と言われたが、こんなおもしろい時計は売りたくはない。
まあ、元々、他の人からの贈り物を交換したり、売ったりはしない性質だけれど。
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