としのせ、い? #書もつ
年末といえば第九、みたいに、年末といえば何か思い浮かべるイベントやものがあるのではないでしょうか。いい思い出ならいいのですが、悪い思い出は思い出したくないですね。
僕は、学生の時、年末に表参道にあるBlueNoteというライブハウス(区分がわかりませんが、ライブが聞けるレストラン的なところです)に行くのが恒例でした。
ある年、すごく寒いと思っていたら熱が40度くらい出ていたのですが、とっても観に行きたいアーティストだったので高熱を押して見に行きました。若いからできたのかなぁと、ふと思い出します。
さて、木曜日ということで読んだ本のこと。というか、年末になると、また読みたくなる本を紹介します。
人生論
トルストイ
「イワンのばか」という衝撃的なタイトルの本に出会って以来、ずーっと追い続けているような作家の、これまた果てしない作品です。
別のSNSでも書きましたが、まぁとにかく読んでみてほしいところです。僕にはとても難しくて、前半は何を言ってるんだか分かりませんでした。しかもキリスト教系の思考により、なかなか想像できない存在(神とも言う)との関わりが、これまたむずい(笑)
ただ、この作家さんの別の作品を読んでいくと、作家の思いのようなものが見えてくるのです。そういう経験を踏まえて、この作品に当たることを強くおすすめします。トルストイという作家に初めて会うなら、この作品はやめときましょう。
後半、霧が晴れる瞬間が訪れて、視界に光が。人生論というのは名ばかりで、人間論的な広がりを見せ、命とはどうあるものか、そんな問いが繰り返されます。
核心的な部分は読んでほしいので、あえて書きませんが、この作品で提示される視点を手に入れると、ほんとうに人生は豊かになるはずです。
以前、トルストイのことを書いています。暇な方は、ぜひ。
レ・ミゼラブル
ユゴー
この本の日本語のタイトルは「ああ無情」だったりします。子どものころ、タイトルの意味がまったく分かりませんでした(笑)そんな悲しい話、読むわけないだろ!みたいな。
ミュージカルや映画で知ってるよー!って方、本当ですか?ほんとうにこの作品を知っていると言えるのは、原作を読んでからだと、強く訴えたいのです。(やや興奮して書いているのが、読み返してみてわかりました。でも、そこは修正しません。)
もうね、ミュージカルは作品のいいとこどりで、実はストーリーとして成立してないのですよ。
本来は、もーっと葛藤が繊細だし、人との繋がりが愛とか恋とかじゃなくて、恩みたいなものもあるし、因果応報の伏線と、その回収がところどころで展開されて、まぁ複雑なのです。がんじがらめなんですよ、人間関係が(笑)
例えばフォンテーヌ、ある男を誘い遊んだ結果としてコゼットが生まれているのです。可愛そうなシングルマザーとして舞台に立っていますが、実は違う。
マリウスと宿屋主人との関係性もまた、祖先からの恩義による繋がりが描かれています。それはミュージカルでは、まったく見えてきません。
というわけで、作品全篇をミュージカルでやるとしたら、少なくとも6時間は必要だと僕は思います。下水管の中での、あの駆け引きは作品では延々続きます。
という感じで、原作を読んでみると、ミュージカルの良さが格段に変わります。音楽の美しさ、歌詞の切実さ、物語のエッセンスが詰まっているのです。
この作品だけで、記事が書けそうなので、このへんで(笑)
何となく、外国人の作家というか文豪の作品には、力が込められていて、それを少しづつ分けてもらうような気分になります。もちろん、読む側にも結構な気合いが要るかも知れません。
日本とは異なる文化や歴史を背景にした言葉には、なかなか相容れない表現や判断もあるものです。そもそも美や正義の意味も違っていたりして、戸惑いながら読むことになります。
って、書くと翻訳モノへのハードルが上がってしまいますが、今回の2つはどちらも名作であり、噛み砕けたら楽しいだろうなぁと思います。
年の瀬、ふと自分の生き方や命について考えてしまうのは、歳のせいなのでしょうか。
考えごとをする天使。海外の小説には、ときどき天使のような存在が描かれます。良心や慈愛といった意味合いの天使、僕はどうだったかなと考えてしまいました。infocus📷さんの作品です!ありがとうございました!
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