ぼんやり絵日記 #書もつ
たびたび投稿にも書いている、我がまちの図書館の話題。
毎日展示と呼ばれている、日替わりの特集展示があります。本当に日替わりで、今日は何だろ・・とふと気になることも。
世界的イベントのこともあれば、誰かの命日でもあったり、○○の日のようなことも。数多の蔵書から、関連する作品を選び出して、しかも飾りまで作って・・頭が下がります。
いくつかの展示スペースが設けられていて、常設的にテーマ展示されているところも嬉しいのです。特に、子どもと一緒に図書館に行ったら、絵本コーナーに張り付いて右往左往することになるし、自分の本を選ぶのは至難の業。
最近では、展示コーナーに立ち寄って、気になる作品を1、2冊借りるようになりました。
今回紹介する作品は、その展示の中でも「リラックス」というテーマで並んでいた作品たちから、手に取りました。
NO IDEA
安西水丸・和田誠
何となくタッチの似ているお二人の、共作のような対談のような、寄せ書きのような。表紙のように、お二人で一つのテーマで絵を描いて、下に少しだけエッセイのようなものを書いている作品で、まるで絵日記のようでした。
英単語が一つあって、それに絵があって、文章があって。
失礼ながら、文章のほうは、取るに足らないというか、ありていに言えば「どうでもいい」ことが書いてあります。だからこそ、何も考えずに読めるというか眺められるような作品なのです。・・・だから、リラックスなんですねぇ。
途中に、村上春樹さんの書き下ろしがあって、完全に鏡に移した文章を読んでいるような感覚でした。それは、僕の文章とかそういう烏滸がましいことではなくて、彼の使っている言葉が、そのまま彼の作風にあらわれているような気がしたのです。
まずだいいちにお二人とも、画風がいかにも都会的というか、細部の始末がいちいち洗練されている。文章にたとえれば、文体がしっかりしていて、それでいて押し付けがましいところがない。洒脱でありながら、乱れることがない。 ーー17p
村上と著者の二人は、青山あたりに住んでいて「ご近所で同じ空気を吸って暮らしている」なんて表現しているあたりが、誰にでも言えそうなのに、言う人によって全く違う世界観が立ち上がるような感じなのです。
都会のど真ん中にいるような気がしますが、それでも”ご近所”という発想があるのかと、なんだか安心するというか、庶民的な視点が微笑ましいとさえ思えました。
作品の中で、僕が好きなのは「DOG」でした。犬恐怖症の描く犬、猫派の描く犬、そしてエッセイは本当に個人的な感じだったので、さらりと読んでしまいました。
そんな感じで、本文もたった40ページ足らずなので、あっという間に読み終えてしまうのですが、何とも力の抜けるイラストに癒される・・・そんな作品でした。
この投稿のタイトルは、とても悩みました。悩んだ割には、なんのことやらさっぱり・・という感もありつつ、サムネイルがどんなふうになるのか楽しみにしていました。infocusさんとのサムネイル制作も1年半・・150本ほど作っていただいています。ありがとうございます!