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雑感 20240927

あぁ、お腹すいたなぁ。

我が子が、手術室の自動ドアの向こうに運ばれていった。僕は、ちょっと気が抜けたのか、自分の空腹に気がついた。時刻は13:20だった。

重たい作動音とともにドアが閉まって、泣き声が遠くなった。我が子は手術に備えて、朝からほとんど飲食をしていない。空腹で喉も渇いていたはずなのに、僕たち親と過ごしている間、そんな泣き方はほとんどしなかった。

環境が違うことを感じ取っていたのだと思う。幼い子どもの能力という視点に驚くだけでなく、幼い我が子が何もできないと思い込んでいる自分にも気がつく。

手術とはいえ、生まれたときから、むしろ生まれる前から予定されていた手術だった。突発的に必要になったわけではない。

その内容は、命に関わることではないけれど、長い目で見て、手術を受けなければ、命の存続が危ぶまれるだろうし、きっと生き方そのものに重大に関わってくることになるだろう。

我が子がどんな状態なのかを詳しく書くには、まだ心の余裕が足りないので、読み手の皆さんには隠しているような、ちょっとモヤモヤさせてしまう部分もあるかと思う。

だったら書くなと思われてしまうかもしれないが、僕が忘れてしまうのも寂しいので、こうして書き進めている。


【これは創作では、ありません】


手術は、生まれてから2回目だ。

1回目からの期間は1年数ヶ月。この2回の手術を受けることで、ようやく"ふつう"を得られるのではないかと、つい願ってしまう。

この病院があったこと、そして医師に出会えたことは、この子にとって幸運だった。何かが違っていたら、こんなふうに安心して暮らしていくことはできなかったかもしれない。

1回目は、本人は文字通りまだまだ小さくて、意思も明確に発信できるほどではなかったから、親としても、病院にお任せします、という感覚で、本人が辛かろうとか寂しかろうとはあまり思っていなかった。

しかし、2回目ともなるとそれなりに成長しているから、意思もある。言葉はまだでも、泣くし、声を発するようになっていた。

入院して手術を受ける。
家族のいない夜に、病院で寝て起きる。

僕は、本人の寂しさを想像すると、すごく胸が痛くなるように感じた。だからといって、親がつきっきり(本人の希望も、僕の想像も、その親は妻ということになるだろうけれど)という訳にもいかない。

入院初日、なんだか僕はそれがすごく申し訳なくなって、ほかの家族のこともあったので、我が子が昼寝をしている最中に病院から帰った。

この手術を乗り越えると、僕たち親が不安で心配で堪らなかったことが、解消に向けて大きく前進する。

本人の発育にも、いろいろと寄与することがあるから、このタイミングで手術することが大事なのだ。ただ、まだまだ本人や親が乗り越えないといけないことは多くあって。

1回目の手術の時、僕たち夫婦は手術というものの特徴をよく理解していなかったから、傷口が生々しく痛々しいのを見て、とても驚いてしまった。

今回は2回目だから、そういうことはないだろうけれど、傷はあるし、自由に身動きが取れないこともあって、本人はきっと辛いだろうなと思っている。

傷口を守るために抱っこはできませんと言われてしまったら、本人を目の前にして、なにができるんだろう。

痛みと恐怖と不安で、泣いて抱っこをせがむ子の前で、ごめんねといいながら頭や体を撫でるしか術がないのだろうかと思うと、僕はそんなことはできないと逃げたくなってしまう。

手術が終わって、顔を見てから帰りたいけれど、ほかの家族のお迎えに行かなくてはいけない時刻になると、僕は病院から戻らなければならない。

家族がいる、というのはそういうことだと分かっているけれど、気持ちのバランスは難しいと感じてしまう。

手術中の数時間、きっと何もできずに時間を過ごしてしまうだろうと思って、手術の待ち時間に、この投稿を書き始めた。

もっと具体的なことを書けば、様々な気持ちがより鮮明に書けるのかもしれないけれど、これは誰かに話しておきたいことでもないから、こうして、抽象的なままに留めて書くことにした。

唐突に、手術とか命とかって物騒な話をしてしまったけれど、我が子の成長は予定通りの経過で、順序として受けるべき手術なので、ご心配されている方がいたら申し訳ない。

我が家をちょっと揺さぶるような、不安定な時期になるかもと思いつつ、子どもたちがもっと家族のことを感じてくれるようになったらいいなと思う。

我が子が大きくなって、憎たらしくなって、かっこよくなって、きょうだいで喧嘩して。

ずっと後になって、いい思い出になることを願うばかりだ。



帰り道、術後の我が子の写真が送られてきた。やはり血は衝撃的だし、泣き顔は痛々しかった。とにかく、我が子は頑張っている。手術が終わった、たったそれだけで、治すのは我が子自身だということを、改めて痛感する。


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もつにこみ
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