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初めての焼きそばの作り方
年齢など関係ないが、これまで自分の人生で経験のないことをやるのは、結構楽しいものである。
カップラーメンは食べることは食べるのだが、あまり頻繁には食べない。カップ焼きそばは、終ぞ食べたことがなかった。
秋峰さんが企画したわけではなく、呟いたような口調で書いた「カップ焼きそばの作り方を書く」が、にわかに人気を集めている。
元は、数年前に発売されていた、文豪たちの書体模写によるカップ焼きそばの作り方の本である。この本が売り出された時、かなり話題になった。
本屋で大量に平積みされていたが、僕はもともとカップ焼きそばの作り方を知らないし、別に知りたくもないと思って、手に取ることはなかったのだ。
しかしである。いまなら、この流れに乗りたい、カップ焼きそばをただつくればいいのだから、やってみよう・・と思い立って数日が経ってしまった。
流石に朝ごはんに食べることはないし、かと言って、遅く帰ってきて夕食として作るのもあまりよろしくない。子どもたちがいればなおさら興味をそそる食べ物だろう。
というわけで、平日のお昼ご飯に食べることにした。
その日は、朝から赤ちゃん対応が重なり、自分のお弁当が作れなかった。ここぞとばかりにコンビニに寄って、カップ麺の棚を覗く。
あれ?カップ焼きそばって、こんなに種類あるの?棚には10種類前後のカップ焼きそばが並んでいた。まずそこから驚いて、焦った。
僕は、“決められない”性格なのだ。
そんなこともあろうかと、初めての焼きそばは、UFOを買おうと決めていた。しかし、それも3種類ほどあった。結局、まずはシンプルなものを買った。すぐ買えたように書いたが、ここまでに3分かかっている。
いよいよお昼の時間になった。給湯室でコソコソとカップ焼きそばを作る。カップ麺はお湯を注いで終わりだが、焼きそばはお湯を捨てる作業があるのは知っていたが、なるほど蓋の向きでお湯の入口と出口があるのに、へーっ!と思った。
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カップ焼きそばも、熱湯3分。スマホのタイマーをセットして、しばし待つ。その間に、普段なら走った後に飲んでいるプロテインを牛乳と混ぜておく。栄養バランスを考えて飲むことにした。
3分経って、件の蓋をめくり、銀色の編み目から、お湯を捨てる。全部捨てられたのか気になって、何度か容器の向きを変えたり振ったりして湯切りをする。ラーメン店の厨房をイメージしながら、何度も振る。
ゆっくり蓋を取り、ソースをかけて混ぜ、ふりかけ(かやく)をかけて混ぜる。できた。
ゴミを捨てて、一緒に買っておいた塩むすびと、プロテインを並べる。
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食べた時の感覚としては、ソースが甘い(甘いものは好きなので良い)、麺が柔らかく湯切りの時間も含めて3分だと思った。
作り方、というより体験記になってしまった。それにしても、パッケージに印刷されている、作り方の言葉選びに感動する。シンプルで分かりやすい。誰もが迷わないデザインを、考え続けた結果なのだろう。
初めて作ったにしては、美味しくできた(笑)
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