遺跡の風格
毎週月曜日は、旅の記録を書いています。
風格のある遺跡というものを考えてみたときに、どんな場所の何の遺跡が思い浮かぶでしょうか。僕が小学生だった頃は、間違いなくエジプトにあるピラミッドでした。
しかし、当時流行っていたのか研究が盛んに行われていたのか、色々な書籍やテレビ番組で中の様子を知るとともに、作り方の想像図だとか、当時は全く意味のわからなかった太陽神への信仰だったりとかして、古代への思いをはせるといった対象から外れていってしまいました。
社会人になってから、ひとり旅をするようになっていたのですが、その中で、時々友人との海外旅行も行っていました。一緒に旅行にいくと、普段とは違う一面が見られて、良くも悪くも価値観だとか、経済観念が見えてくる気がします。
友人の初めての海外旅行を企画し、見事に僕がそのオチを持っていってしまったような旅を以前書いたことがあります。その旅のことを、少しくわしくというか、写真を見ながら思い出したことをぽつぽつと書こうと思います。
さて、友人の初めての海外旅行の目的地に選んだのは、カンボジアでした。カンボジアには遺跡が多く残されており、また過去の圧政の歴史などの暗い一面もあって、僕も興味がありました。
アジアで比較的観光がしやすい、そんな場所でした。基本的には遺跡群を見てまわるのですが、年末年始にいったこともあって、初日の出ツアーにも参加したり、プチひとり旅を満喫したりしました。
プノンバケンの夕暮れ。カンボジアに来たら、ここで日没を観るというのが、定番。電灯がない、ってそういうことか・・と実感できる、暗闇の帰り道でした。
僕が、アジアっぽい景色だなと思うのは、雑多なナイトマーケット(夜市)。さまざまなお店が並んで、ありったけの商品を並べて、お客がそこを迷うように巡る空間は、日本にはない雰囲気があります。中でも、独特の色合いで書かれている絵は目を引きました。
晩御飯に入ったレストランでは、影絵のショーも観ることができました。音楽も独特だったし、影の人形たちの精密さにも驚きました。ただ、全然内容が分からなくて、眠気を堪えていた気もします。
現地の宗教的な話だったり、戦争の歴史だったりするのかなぁとぼんやり眺めていましたが、遺跡群が目を見張るほどの精密な彫刻だらけだったので、その美意識の高さが受け継がれているといいなあと思ったりしました。
”上を向いて歩いた”(冒頭のリンク先の記事を参照)大晦日から一夜明けて、睡眠時間わずか3時間の中、初日の出ツアーに参加しました。場所は、カンボジアが誇る世界遺産、アンコールワット。普段、テレビなどで触れていた景色では、一般的な寺のような、例えば浅草寺とか川崎大師のような規模感を想像していたのですが、全く違いました。
寺院の敷地は2キロ四方の正方形、って広すぎだろ・・となかば呆然としましたが、ツアーなのできちんと案内してもらいました。ただ、このとき友人が、折りからの食べ過ぎによる食あたりを起こしていて、日の出が見られないのではと危ぶまれる状況でもありました。
白み始める空・・この後、画面の右端の木のあたりから太陽が見えてきます。明るくなって、周囲を見渡してみたら、ほとんどがアジアの人(多分、日本人)だったので、海外でも集団行動か・・さすがだなぁ・・と思ってしまいました。
初日の出ツアーの後、ホテルに戻って朝食を食べたところで、友人はダウン。熱は無さそうだったので、部屋で休んでもらいました。申し訳ないけれど、ひとりで行動してもらうのを許してもらって、興味のあった気球の旅へ。
気球とはいえ、このゴンドラの下にロープが地面から伸びていて、一定の高さまでしか上がらないし、風が強いと運行を取りやめていました。気球から、広大なアンコールワットを眺められる、その景色がとても力強かったのです。
緑の森の中に、石造の遺跡があって、ずっと長い間その場所にあった、そして過去においては大変重要な建物であったことが一気に理解できるような景色でした。
友人は、半日で回復したので、一緒に再び気球に乗ろうとしたら「風強いから」と言われて、気球に乗れませんでした・・。
カンボジアには、このほかに、東洋のモナリザと呼ばれているような彫刻や、川の中にある遺跡、天空の城ラピュタのような遺跡など、風格のある遺跡が多く残っています。
アジア特有の蒸し暑さとともに、レンタサイクルに乗りながら巡った旅が懐かしいです。