おめでとう、のまえに
保育園に通う子が卒園するにあたって、卒園メッセージなるものを書くことになっている。
これはそのメモとして、言葉を探すために書き散らしたような記録である。
卒園アルバムに挟んで、卒園式で渡すのだそうだ。かわいいイラストがついた厚目の紙をもらったのは数日前。そんな時期になってしまったのかぁ。
そして、その締め切りが今月末に迫っている。
思えば、0歳から入園した。6月生まれだったから、入園時には11ヶ月とどちらかというと月齢は早めだった。
ハイハイすると痩せるとか、立ち歩きするとシュッとすると言われていたけれど(痩せなくてもよかったけど)、文字通りグングンと大きくなった。いまでは誰からも「何年生?」と聞かれるのが定番の質問になってしまった(まだ入学していない)。
親は二人とも、小柄な方なので、子が大きいのはやや羨望感に似たようなものがある。どこまで大きくなるのか・・でもそれは、ファクトフルネスで書かれていたように、成長”曲”線というだけあって直線的に成長するものではない。
保育園では、友達との関わりの中で、貸すこと、我慢すること、待つこと、譲ること、怒ること、集めること、従うこと、相談すること、諦めること・・色々なこころの動きを体験し、また体得してきた。
幼い頃は、上手く言葉にできずに、友達の腕を噛んだし、噛まれてもいた。
家では見られない(両親ともテレビが苦手)アニメの話や、YouTubeの動画のことも、保育園で仕入れてきては、親を驚かせた。
トテトテ歩いていた子が、いつの間にかスタスタ歩き、走るようになっていったように、ちゃんと成長していた。
毎日のように下駄箱のそばの本棚で本を借り、毎晩のように読み聞かせをしたのは、親にとっても楽しい時間だった。保育園が休みの日でも園の隣の公園で遊んだし、友達を大勢集めて遊ぶような約束を取り付けて、それを実行してきた。
保育園に入ると、病気をたくさんもらってくる・・そんな怖いことを言われていたけれど、それは事実だった。
1歳になる手前の5月の連休、数日間の高熱に苦しめられたことは、今でも強く印象に残っている。病気をもらう、そして、それが治るたび、子は強くなった。体も心も成長していった。いっとき苦しいのは可哀想だけれど、治るとケロッとしていつもの元気な子になるのが、親としては楽しみでもあった。
不思議なことに、あの悪名高きウイルス性の胃腸炎にはかからなかった。まだ1ヶ月あるから油断はできないが。
子が6年間、この保育園に通えたのは、一体どうしてなのだろう。
友達がいたから、先生がいたから、おもちゃがあったから、お散歩があったから、公園があったから。
移動動物園が、運動会が、遠足が、お楽しみ会が、誕生日会が、こどもまつりが、そんなふうにイベントがたくさんあったからなのかも知れない。
家では食べられない食材も、みんなとなら食べられる、そんな給食があったからなのかも知れない。
何より、毎日のように送り迎えをした母、そして圧倒的に数は少ないけれど、父(僕)もいた。行きたくないと泣いた日も何度もあった。
保育園に通うことが、子どもにとって可哀想だという人がいるが、僕たち家族は決してそんなことは思っていない。
多くの友達に恵まれて、子は自分の性格のようなものを養っていたように思う。
保育園に通う子が卒園するにあたって、卒園メッセージなるものを書くことになっている。(再掲)
この問いに、回答するべく色々と思い出してみたり、考えてみたりした。
まだ足りていないけれど、時間も少ないので、この辺でまとめなくてはいけない。
・・・・・
書いた。
ここに載せることはしないけれど、特に意識したのは、保育園への感謝を込めて。小学生へと出発するけど、それは別れではなくて、ずっと心に残るから安心してほしい、この保育園でよかった、そんなふうに。
きっとこのメッセージは、子よりも先に先生たちが読んでくれる。おめでとう、の前に、まだまだ伝えたいことはあるし、伝えなくちゃいけないとも思う。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!