宅配便
オンライン
この言葉の寂しさったらない。
便利とか安全とか、そういう以前に、寂しい。飲みに行けば、大声で笑い合えるのに。
タツヤと僕は、食べ物も、マンガも、女の子だって、好きなものは何でも同じだった。まるで双子だね、と言われるくらいに。
「おいカズヤ、聞いてるか?」
ふっと我に返る。玄関からも音がした。
「あ、ごめん。あ、なんか来た。ちょっと待ってて」
宅配便だった。
「え?タツヤから?なんだこれ。服?」
「まぁね、着てみろよ」
「よっ。ふぅ。・・って、お前のと同じ(笑)」
画面を見て笑う。鏡か。
「似合うよな、やっぱ。・・思い出したから。双子って呼ばれてたこと。」
同じ服着て、同じとこ汚して。じいちゃんが生きていた時「袖摺れやなぁ」と笑っていた。なんだか泣けてくる。
「カズヤ、聞いてくれるか?」
「いつでも、僕は聞いてますけど(笑)」
タツヤが急に真剣な顔になった。
「俺、結婚することにした。あの子と。」
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