草だって、紅葉したい
皆さんは、草紅葉を知っているでしょうか。くさもみじ、と読みます。
秋といえば、木々の葉が美しく色を変える季節。山や森が、いろんな色にまだらになっている様子は、毎年のように美しいと感じることができます。毎年見ているけれど、どこが黄色くなるとか、赤くなるとか、覚えていないものですね・・。春には、桜の花も山の中で咲くと、あそこには桜があるんだなぁなんて、いつも思うのと似ています。
そんな紅葉の中でも、珍しい名前の紅葉があるのは、「尾瀬・国定公園」。群馬県、福島県、栃木県、新潟県にまたがる国定公園ですが、中でも湿地帯が有名で、春から夏にかけての観光シーズンには多くのハイカーで賑わいます。
♪ 夏がくーれば思い出すー はるかな尾瀬ー 遠い空
という歌い出しの歌の通り、水芭蕉の景色がとても美しくて有名な尾瀬ですが、水芭蕉が終わり、秋が深まってくると、周囲の山々の紅葉とともに、沼に生えている草たちもまた紅葉するのです。
草が、赤く見えるのです。なかなか写真では取りきれませんでしたが、本当に見渡す限り赤いのです。ちょっと変な例えですが、火の海のようでした。
木道を歩いていると、不思議な気分になります。普段は、見上げてみる紅葉が、自分の足元にあって、しかも風でたなびくような景色は、経験したことのない感動を覚えるのでした。
湿地帯なので、色々な場所に池のように水があって空を映していたり、周囲の山の紅葉が映り込んだりしていて、尾瀬が歌われる意味がわかるような気がしました。
こんもりとした森の木々は、それぞれ微妙に色の違う紅葉をしているので、空の青と、地面の赤、そして黄色や緑など、秋なのにカラフルだなぁと思いました。
尾瀬に向かう途中、メロディーロードと呼ばれる、道路に凹凸をつけて車が通ると音が鳴っているように聞こえる仕掛けがしてある道路があります。そこを走ると、普段はブーンと唸っているだけのタイヤの音が、あの歌い出しのメロディーに鳴って流れてきたのです。
ただ、その仕掛けはとても短くて、すぐに終わってしまうのでした。当時、ずっとメロディーロードにすればいいのに・・と思っていたので、もしかしたら、今度行ったらグレードアップしているかも・・と期待しています。
草紅葉も絶景ですが、今度は、歌の通りの水芭蕉の季節に行ってみたいと思います。