タータンと空の青さ
タータンと聞いて、すぐにイメージが湧く方は多くはないでしょう。男性が頭に巻く民族衣装・・それは、ターバンです。
すぐに答えられる方は、陸上競技関係の方かも知れません。タイトルの写真にもバッチリ写っているタータン。そうです、競技場のトラック部分のゴム系の素材が、タータンと呼ばれているそう。
昨日、神奈川県の川崎市で開催された「かわさき多摩川マラソン2023」に出場しました。1年半ぶりのハーフマラソン。トレーニングというほど真剣ではないのですが、冬から春、そして夏が明けてから、少しずつ仕事の昼休みに走っていました。
10キロ以上の距離をトレーニングとして走ることができず、運良く休日の早朝に1時間くらい走ること2回(少な!)。1年半前と同じように練習不足感・・またも完走することに自信が持てないまま当日を迎えたのでした。
会場の等々力陸上競技場は、実家からも近く、なんなら小学校のマラソン大会なども行っていた、ある意味”ホーム”グラウンド。会場までの道のりに、母校の小学校があったりして、個人的にも思い入れのある場所です。
サッカーチームのフロンターレのホームグラウンドとしても有名ですし、世界陸上なども開催される、設備の整った競技場です。青いタータンになったのは昨年あたりだったような・・。
多くの方が思い出す競技場は赤茶色のトラックですが、現在国内の競技場の数十箇所において青いタータンが採用されているそうです。
僕は、てっきりフロンターレカラーにしてほしいと政治的な力が働いたのではないかと勘繰っていましたが、そうではありませんでした(笑)
競技場に限らず、色の印象として言われているのは、赤は情熱や興奮を表します。そして、青は冷静と集中の効果があるのだとか。
確かに、興奮するよりも冷静であることの方が、アスリートにとっては良さそうです。快晴の青空に映える、青いタータンは水のような景色です。
ハーフマラソンのコースは、競技場から飛び出して、近くを流れる多摩川の河川敷に向かいます。河川敷沿いの車道をひたすら走って上流へ上り、河川敷に入るとひたすら下流へ・・およそ8キロほどのルートを往復して、また競技場に戻ってくるコースでした。
快晴で日差しも暑く、時折ある木陰や橋の下の日陰に癒されつつ、僕は修行のごとく自らの身体と心と対話するように走っていました・・周りを気にする余裕なんてない(笑)
昼休みのランでは大体4.5キロくらいの距離を、職場に戻る時間も必要なため、やや速めのペースでしか走れないのですが、それが奏功したのか前半はやや速ペースのまま進んでいました。
しかし、それも当日ボーナス(無意識にテンションが上がっていてペースが上がる)含めても7キロ程度・・あとは、ひたすら苦しかった・・。
自分との“対話”を超えて、喧嘩のような葛藤を続けながら走っていました。
前回の反省を活かして、給水所では必ずスポドリを飲み、足が痛いのか体が痛いのか、苦しいのかを冷静に分析しながら、時折思い出すマインドフルネスランニングの方法なども駆使して、何とかかんとか20キロ地点を通過したのです。
途中、何度も歩こうかと思いました。キロ表示のたびに目の前でそんな人たちが現れて、自分の心がぐいっと曲げられるような感覚になったのです。でも、あと1時間走れば、あと30分走れば・・と言い聞かせ足を動かしました。
すると、競技場に入った時に「おかえりなさい!」とかけられた見ず知らずの人の声に、ブワッと反応して涙が出てきてしまったのでした。
自分でもびっくりしました。しかし、まだゴールではないので、気を取り直して痛い足を奮い立たせ走りました。
そして、程なくしてゴールゲートが見えてくると、またもや涙腺がゆるゆるに。笑顔でゴールしたかったのに、号泣していました。声も出ていて、なんでこんなに泣いてるの?と自分でも分からないくらい、泣いていました。
初めて挑戦した時でさえ、こんなにも感動はしませんでした。しかし、場所柄、子どもの頃から(嫌々ながら)走ったことのある場所だったこともあって、あの時の自分(30年前!)に見せてあげられたらなぁ・・なんて思ったのかも知れません。
子どもの頃、たったの1キロでも走れないと思っていたのに、昨日のように21キロも走り続けたことは、自分でも驚きました。
本当に疲れましたが、少しだけタイムも速くなっていたりして、成長もしていました。やったぜ。
どの大会でも、走り始めると・・なんで走っちゃったかなぁ・・と後悔のような気持ちをぶら下げていたりします。
でも、ゴールの瞬間の感動とか、ちょっとした成長があるから、やめられなくなっちゃうんですよ・・ね。
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