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交換文庫

大人になって、結婚をしたり就職をしたりして、実家を離れていく兄弟たち。僕は長男で、妹と弟がいます。

毎週木曜日には読書記録なのですが、実家に帰ってきている新年、ぼんやりしている中で書いてみましたよ。(だから、書もつシリーズからは、あえて外してみました)

妹は、就職を機に実家を出て、そこから留学とか結婚とかが次々に決まっていきました。僕は、結婚はゆくゆくだろう(できるかも不安だった)し、弟の方が先に実家を出るのかもなぁ…なんて思っていました。

順番がどう、ということではないけれど、幸いなことに僕も結婚をして家を出ることになって、その数年後に弟も結婚して家を出ました。

実家は両親だけになって、数年を経た今は僕たち子ども家族がお正月に集まっています。毎年のように人数が増えて、実家に来るたびに子どもたちは成長して、部屋の空気が薄くなっている気がします(笑)。

何を基準にするかで評価は変わってしまうけれど、利便性という意味では実家が一番価値があるような気がしています。最寄り駅までは徒歩十数分ですが、その駅は数年前にターミナル駅となっていて、どこへでも行けるようになりました。

結婚して引っ越すにあたって、まず気になるのは家賃でした。金額に幅はあったけれど、実家の近くでは手が出ないなと思ったので、徐々に実家から離れていくことに。

お互いに上京するとかそういうインパクトのあるものではなかったので、実家からも電車で数十分程度の距離で済みました。

そんなふうに妹や弟の家族も、実家から程よい距離感の場所に住むことに。それは両親との仲がいいのもあるし、兄弟同士の仲もいいのかもなぁなんて思う要因でもあります。

実家では、よく家族間で本の貸し借りをしていました。共通の本棚にある本を持ち出して、読んだら感想を告げる程度なのだけれど、僕や妹の本を親が読んだり、親が若い頃に読んでいた(らしい)本を紐解いては、挫折したりしていました。

例えば、赤川次郎の「三毛猫ホームズ」シリーズは、僕と妹、そして母がよく読んでいました。いまの僕の家にもそんな本棚を作りたいと思っていて、リビングに本棚を置いているものの、なかなか思い通りにはいきませんね。

お正月だけでなく、何かの機会に家族同士が集まることがあって、そんな時に僕は、妹から借りた本と妹に貸したい本を持っていきます。妹も同じように、僕が貸した本と僕に貸したい本を持ってきてくれるのです。

貸した本を返すというやりとりが、いつのまにか“貸した覚えのない本”までやりとりするようになりました。だから、妹からしたら「どれが私の本かわからない」らしいのです。

お互いに共通の作家が好きというわけでもなく、僕自身も古本屋で安かったから買ってみた的な作品を貸すこともあります。感想を聞くこともないので、読んだか読んでいないかも分かりません。

ただ、本を何冊もやりとりすることは、新陳代謝という意味でも、励まし合いという意味でも、ある種のコミュニケーションになっていると思うのです。

この正月も、昨年の夏頃に妹に貸した本が返ってきました。と同時に、見覚えのない本も入っています。僕も同じように、これまでに読んだ本を何冊か持ってきていました。

「あれ?これお兄ちゃんに貸してたんだ」

そうそう。あぁ、これ貸してたんだ、とホッとするとともに、こっちは読んだことないな、とワクワクする瞬間が嬉しいのです。



昨年の後半から、noteに書いた感想文をAmazonのレビューに少しずつ掲載しています。“書もつ”で紹介した作品に、ここで読んだものと似ているレビューがあったら、それはおそらく僕です。

今年も隙間を見つけては、本を読んで(聴いて)いきたいと思います。もっと身になるといいなぁ。

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もつにこみ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!