持ち物:腹痛
なんか、ちょっとお腹痛いかも・・。
そう感じたのは、大阪に向かう飛行機の機内でした。羽田発伊丹行き。新幹線でしか行ったことのない大阪に、朝早い便を予約し、空路で入ることにした旅でした。
毎週月曜日には、旅の記録を書いています。
そんな記憶が思い出されたのは、facebookで表示されていた10年前の旅の写真がきっかけでした。
前夜、職場のグルメなおじさんに連れられて、みんなで行った牡蠣バーが良くなかったのか・・生牡蠣の怖さを静かに感じながらも、ちょっとした痛みなら、いつものように引いていくはず・・と我慢することにして、素知らぬ顔で旅を続けました。
実物を知っているようで知らない太陽の塔。本物は大きかったです。作者は芸術を開かれたものにしようと尽力していたからこそ、なかなかに人間臭い顔がくっついているのかなぁなんて思いました。当時も今も、何だこれは!?と思うような作品には、力強い解釈が添えられるのかも知れません。
腹痛もまた本物でした。痛みの波が押したり引いたり。
夕方には、大阪で公演中の劇団四季「ライオンキング」へ。梅田地下街の迷宮を抜け、ビルの上にある専用劇場へ。この演目は、公演地によってセリフが変わる二人(二匹)組の役があり、大阪公演は関西弁でのセリフでした。腹痛を抱えながらも、漫才のようなやり取りにひきつりながら笑っていました・・イテテテ。
大阪から京都へ移動すると、もう夜。
その日の晩御飯は、お腹に優しい湯豆腐をチョイス。宿からも近く、清水寺にも近い「豆水楼」へ。憧れの豆腐料理屋さんで、ついつい全部食べ切ってしまうという無謀な食欲・・お腹は痛いままでした。
翌朝、腹痛は収まりをみせ・・てはくれませんでした。痛え・・。それでも、腹痛は良くなるはずだと自分を信じて(ちょっと違う)、早起きして寺に向かったり、京都らしい朝ごはんとかって、パン耳を皿みたいにしてサラダを盛る喫茶店でモーニングを食べたり・・ほんとよせばいいのに。
せっかく京都に来たんだからと、あれもこれもと回ったり、美味しいお店に立ち寄ったりして、相変わらずお腹は休まらず、腹痛は続いていました。
すごく痛くて堪らん・・という感じではなく、波がくるのをやり過ごすタイプの腹痛だったので、いつか治るだろうとたかをくくって、動きまくっていました。
どこへいっても、手を合わせてお願いしていたのは「お腹痛いのが治りますように」でした・・。
2泊3日で、大阪、京都、そして岐阜の多治見に行く予定の盛り沢山な旅でした。願いが通じたのか、ようやく2日目の夜に、腹痛がおさまってくれました。
多治見は焼き物のまちであり、自分たちの結婚式の引き出物のカタログにあった食器を生産している場所だったことから訪問。
あまり詳しくなかったのですが、幸兵衛窯を見学する機会をえて、焼き物ができる様子や多くの実物に触れると、やはり買いたくなってきて、美濃焼の特徴でもある濃い緑色のマグカップを買いました。
実はこの旅には、途中から妻も同行していました。
10年経っても、あの腹痛旅行はネタのように妻からいじられます。旅行の前夜に牡蠣なんて食べたらダメです。さらには、痛いのに、大丈夫だと思い込むことも、のちのち後悔する羽目に。
旅は、前日から始まっていると言っても過言ではない、とこの投稿を書きながら(いまさら)痛感しました。