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1000むすび・縁むすび #創作大賞感想
おむすびが三角形なのには、色々な説があるが、そのひとつに山の形、山岳信仰から来ているという説がある。古来、神は山に宿る(天から山に降りる)とされており、その山の形に倣って三角に結んでいるらしい。神と結びつきたいという思いから”おむすび”という名がついたとも言われている。
そのおむすび、1,000個食べるには、一体どのくらいかかるだろう。平日の昼ごはんに2個として、1週間で10個、1年50週で500個。およそ2年かかる計算になる。コンビニ以外のおむすび専門店で、となると、結構途方もない時間がかかりそうな気がする。しかし、実際にやった人が書くレポートの説得力は言わずもがなだ。
ハスつかさんの「1000のおむすびを食す男」を読んだ。
今回の創作大賞については、僕自身の応募作品は、過去の作品をまとめたり、繋げたりしてエッセイを中心に出している。まっさらな投稿は、先日投稿が完結したアート・ミステリー小説だった。ハスつかさんの作品を読んで、同じ戦略だ!!と嬉しくなった。
思えば、ハスつかさんとは昨年の授賞式で、お互いにベストレビュアー賞の受賞者ということでご一緒していた。そこで、1,000日以上毎日更新あるあるを語り、お互いに「絶対に先に止めたりはしないぞ」と牽制しあった経緯がある(そんなものはない)。
とにかく積み上げてきたこと自体の力もあるのだけれど、読み返してみると、意外といいこと書いてんじゃん、みたいな感想もあって、また読んでもらいたいなぁなんて思って、創作大賞に応募している思惑もある。
ハスつかさんの投稿は、おむすびだけでなく、そのさき(手前?)の「むすんだ人」にまで視点が伸びている。そこを漫画にしてみようという発想、それは結構いいなと思った。例えば「孤独のグルメ」は映像化されて人気があるが、そのさきの作り手まで話題が伸びていないように思える。
きっとこれからも、物よりも経験、商品より物語、が注目されていくのではないかと思う。そこに、誰にでも食べられる「おむすび」は手軽。男性のみならず、女性にも選ばれる”和食”である。
しかも、都内のいくつもの店、というわけでなく地方に散らばれば、読者層は広くなるはずだ。もしかしたら、おむすびツーリズムだって生まれるかもしれない。
ハスつかさんの戦略の中に、さらに唸らされるのは、今回の部門である漫画原作部門への応募である。これは、漫画が描けなくても漫画部門に手が挙げられるということ。エッセイを下敷きにしていれば、作画の際のリアリティも申し分ないだろう。
漫画原作部門の募集内容にはファンタジーとも、お仕事とも、恋愛とも書かれていない。つまり、小説を書いて投稿した人も、こっちの部門の方がいいのかもしれない。僕自身も、これを書いて心が揺れている。(これは僕個人の考えなので、必ずご自身で状況を確認してください)
まずは、おむすびを食べて落ち着こう。
応募と応援、両面でご活躍されているハスつかさんに肖りたい。
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