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おかえり、白石さん #書もつ

あの白石さんが帰ってきました。

白石さんというと、最近では芸術鑑賞の書籍で登場してきた方が有名かもしれませんが、あの白石さんとは18年前に一躍“時の人”となった、立派な一般人なのです。

勤務先は、大学生協。

多くの人が知っている存在、そしてお世話になったであろう存在、大学生協。覚えやすさのある勤務先です。白石さんが世の中に出てきたのは、その生協での白石さんの”活躍”を描いた「生協の白石さん」なのでした。

大学生協の店舗に備え付けられている”ひとことカード”に、商品のリクエストや意見やお礼などが書き込まれ、それに応える形で生協の職員(店員)さんが返事を書いたカードが掲示される場所があって、白石さんの回答が面白いと注目され、ネットで広がり、書籍になった作品でした。

とあるコメントに軽妙洒脱なんて言葉がありましたが、まさにその通りで、真面目に応えている一方で、言葉遊びや時事ネタとの絡みなどユーモアを挟んでいて、どんどん新しい答えを聞きたくなるような、そんな魅力がありました。

僕が読んだのは、ちょうど大学を卒業してすぐのことで、面白い人って身近にもいるもんだなぁなんて思っていました。

仕事は真面目に、フザケてはダメだと考えている一方で、楽しさも必要だよね・・なんてことも気がつく作品でした。

上に引用したリンクの画像にあるように、この続編はAudibleで配信されている作品。リストから見つけて、すぐに聞き始めました。白石さんとして朗読している方が落ち着いた声で、白石さんご本人の人柄を表しているような雰囲気でした。

あの頃と同じように、大学生からの”ひとこと”に答える白石さん、そして一緒に大人になった僕たちの世代からの”ひとこと”にも答えてくれていました。


それらの紹介は、やはり大学生らしさとか社会人らしさのようなものがあって、白石さんの捻った回答に唸らされます。

アラフォーの大人の質問が、ちょっと浅はかなのは気になりましたが、面白みのような部分で必要だったのでしょうか・・大学生の方が純粋というか、あまり先を読まないでいて、白石さんの面白さを引き出している気がしました。

今作では、白石さんのその独特のセンスの発端となった”白石さんの学生時代”が語られていました。学生寮での暮らしが、白石さんの言葉のセンスを磨き、人間関係の築き方を形成したのだと分かります。

あの作品から18年という月日の中で、白石さんも職場が代わり、仕事が変わって行きました。特に、コロナ禍での大学の運営そのものの様変わりと、それに翻弄される生協のあり方を語る場面は、当時の混乱を思い出させるものでした。

作中で「くわまんのトランペット」という言葉が出てくるのですが、それに反応してしまい、一つの記憶がブワッと蘇りました。また別の投稿で書けたらと思います。

聴きながら、当時の白石さんが学生にひとことカードを書いていた、その年齢に自分がなっていることに気が付きました。

いつの間にか、白石さんに勇気をもらった気分で聴き終えました。


懐かしい花を見つけたような、記憶に残る景色をサムネイルにしていただきました。infocusさん、ありがとうございます!面白くも温かな白石さんの続編でした。


#推薦図書 #帰ってきた生協の白石さん #audible




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