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手書き

もらうと嬉しい年賀状。かくいう自分は、すっかり体たらくになってしまった。お世話になった人はとっても多いはずだけど、両手と両足で数える程度の枚数をしたためるのが、昨今である。

高校生の頃、後輩からもらった年賀状が、いまだに強く心に残っている。干支が描かれた紙面に、手書きのあいさつがあった。

「あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願い申し上げます」

普通のあいさつだった。でも、ひとめ見て、違和感というか何か引っ掛かる感じがした。改めて見つめ直すと、字が緊張している。そんなふうに見えた。

きっとかなり練習したはずだ。何度も同じ言葉を書き、字形や配置など苦心したのだろう。
部活と同じように、真剣に練習する姿を思い浮かべて、少し可笑しくなった。

先輩宛ての年賀状を書くことに大童になってくれた後輩を想う。当時、先輩としての振る舞いが苦手だった僕にとって、一枚の年賀状がひとつの励ましだったと思う。

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もつにこみ
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