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人と公園

先日、初めて東京農工大学へ行ってきました。
学内のサークル(まちけん)が企画したワールドカフェに、仕事の役に立てばいいなぁという軽い気持ちで参加してきました。ワールドカフェとは、ざっくりと言えば、集まった人たちで楽しく話し合うイベントです。

学内のサークル(まちけん)とさらっと書いたものの、そんな存在があることに驚きもありました。学生が地域に目を向けるということが、自分のときには(たぶん)無かったし、学びや遊びの合間に地域が入り込む余地はなさそうです。大学のある地域は府中市。なぜ学生は地域を気にかけているのか、そんな疑問もありつつ、テーマの「まち×公園」やらサブタイトルの「あなたが公園をつくるなら」についても彼らの話を聴きたくて、参加してきました。

開口一番、学生さんに疑問をぶつけてみました。グループにいたのは幸運にも、今年入学した1年生。少し考えて・・を予想していたのですが、即座に淀みなく出た答えは「地域のことを考える学科があるんです」とのこと。

えー!福祉大学じゃなくて、農業や工業の大学なのに?
と驚きつつも、良い学科があるなぁとふと思いました。その名も、地域生態システム学科。大学のホームページに学科の紹介があったので、以下に説明を引用してみました。

地域生態システム学科は、森林・農村・都市を連続した地域と捉え、農の営みや自然と人間活動の多様な関係を対象として、自然科学と人文社会科学の協働による地域管理・計画に関する知識を身につけ、企業・研究機関・行政機関・地域社会における問題解決型の有能な人材を養成します。
ー出典:東京農工大学ホームページ「地域生態システム学科の紹介ー教育目標」

以前、地域考という投稿でも触れましたが、私は地方自治体の職員として働いております。この春から公園や緑地を整備する部署に配属されました。そんなきっかけで、「公園」と聞くと気になってしまうのです。学生さんを含めて地域に暮らす方々が、公園についてどんなことを思っているのか、きっと勉強になるだろうという思いを抱えて、場に加わりました。

4人程度のグループで、途中に席替えを挟みつつ、以下の3つのテーマについて、自分の考えや気づきを言葉にしていきました。個人的には、どのテーマも聞いてみたい(話したい・・ではなく)と思えるもので、つい「じゃあ、これはどうですか?」みたいにヒアリングをしてしまったようにも思います。
①公園で何しに行く?何しに行ってた?
②公園でどんなことができますか
③あなたが公園をつくるなら

公園にまつわる思い出から、公園の使い方の提案などを経て、そもそもの公園の役割や利点などに帰結していくような、そんな場になったことは意外でした。少なからず、身近に公園があることを知っている方々が集まっていて、中には学問や仕事という大きなウェイトを占めている存在にもなっていることからか、世代や感覚が異なる方々から、肯定的な意見が出てきたことは面白いと感じました。

公園について話しているうちに、僕はこれまで色々な公園に行っていることに気がつきました。遊具や砂場のある公園や、体育館や競技場のある公園、花壇の有名な公園、歴史的建造物のある公園、動物園のある公園、海外の公園や広場の記憶・・人の暮らしの中で、やっぱり公園って不可欠な存在であると気がついたのです。

まとめの場面では、テーマから考えていった各個人の気づきや感想が紙に貼られていきました。公園だけではなく地域のことを考える機会になったとか、自分の公園でありみんなの公園であるという考え方など、日頃あまり考えたことがない存在へのあたたかな視点が感じ取れました。なかでも、公園は実はポテンシャルが高い、という言葉には何か今後の期待が込められている気がして、自分勝手ですが励まされる思いがしました。

学生さんによる運営がスムーズで、場が違和感なく和やかだったことは、書いておきたいと思います。何度も同じような場づくりをしているからでもあると思いますが、地域のことを知るための「人の話を聞く」という姿勢が、僕が思っていた学生像とは違っていました。さらに驚いたことに、サークルのメンバーは大学院生まで含めた6学年という厚い人員構成でした。席替えをした時に、ふと目に留まったメモ書きがあります。下に写真を載せておきます。大学は学ぶための場所という固定概念から自由になれる、農工大の環境の良さを物語っている良い言葉だなと思ったのです。


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